銚子電鉄×税務署“ミニドラマ制作” コラボ理由は…竹本社長「非常に深い意味ある」[2022/12/02 18:30]

 千葉のローカル鉄道「銚子電鉄」第8弾。「日本一のエンタメ鉄道」を目指している銚子電鉄で、新たな挑戦が始まっている。それは、社長自ら監督兼主演でドラマ制作に乗り出しているという。その全容とは…?

■新チャレンジ…YouTubeに公開予定の“渾身作”

 来年、開業100周年を迎える、千葉県のローカル鉄道・銚子電鉄。竹本勝紀社長が掲げる“日本一のエンタメ鉄道”を目指す様子を取材してきた。

 銚子電鉄 竹本勝紀社長:「エンターテインメントという言葉には、“おもてなし”という意味もございます」

 先月には、初めて2人掛けのシート「銚電ロマンスシート」を導入した。元々は新幹線のシートだったが、その後、長野県の「しなの鉄道」で使われ、銚子電鉄にやってきた。

 竹本社長:「2人掛けのシートを入れられたら、非常に旅情を感じることができるのではないかという。これも、一つお客様への“おもてなし”という」

 評判も、上々のようだ。

 利用客(地元住民・50代):「座り心地は、すごく良いと思います。ふかふかというか、かなりクッション性があって」

 利用客(大阪から観光・60代)「いいですよ。クロスシートというのは楽しいですよね。ちょっとね、高いかな、シート位置が。その分、ここが高いから、(景色が)良く見えるんでしょうけど」

 さらに、新たなチャレンジも行っている。

 竹本社長:「実は、YouTubeにアップする予定のミニドラマについての打ち合わせをしているところでございます。“税に関するミニドラマ”ということで、タイトルが、『税メン75』という、そういうドラマを撮影しておりまして」

 “税に関するドラマ”「税メン75」には、銚子税務署の廣瀬公一署長も出演している。

 竹本社長が、脚本、監督、編集を手掛けた渾身の作品。一体どんな内容なのか?

■銚子税務署とコラボ…“署長”が“社長”演じる

 日本一の“エンタメ鉄道”を目指す千葉県の銚子電鉄と、地元・銚子税務署がコラボして制作しているドラマ。

 銚子税務署の署長役は、銚子電鉄の竹本社長。調査官役は、銚子税務署の本物の調査官が演じている。

 そして、銚子電鉄の社長役は、銚子税務署の廣瀬署長だ。

 自分が代表を務める会社に税務調査に行くという設定は、とても斬新だと太鼓判を押す竹本社長。コミカルタッチで描かれたドラマには「正しい納税こそが、最大の節税効果をもたらす」というメッセージが込められているという。

 完成間近のドラマを見て、銚子税務署の廣瀬署長は、次のように話す。

 廣瀬署長:「正しい納税、正しい申告をすることによって、企業は伸びていくという話があり。全体として、税務署として必要な映像になっていると感じました」「(Q.どこかに相談や許可などは?)私共の上級官庁は、東京国税局ですので。そこのしかるべき部署とは相談して、今回の動画撮影に至った」

■なぜコラボ?竹本社長「地域社会に深い意味」

 では、なぜドラマを作ることになったのか?

 竹本社長:「実を申しますと、先月の12日に私が銚子税務署様より、一日税務署長を仰せつかったわけです」

 国税庁では、毎年11月11日から1週間を「税を考える週間」と定めている。銚子電鉄の竹本社長には、税理士としての顔もあるのだ。

 先月12日、コラボ企画として、竹本社長は「一日税務署長」に。一方、廣瀬署長は「一日駅長」に就任した。

 銚子電鉄の列車内でチラシを配り、国民生活と税のかかわりについて広報活動を行った。このコラボ企画は、銚子税務署側からのオファーだったという。

 廣瀬署長:「銚子電鉄様の地域に対する、情報発信力というものに、非常に魅力を感じまして。どうにか、コラボレーションを組ませて頂いた企画ができないかな」

 一方で、竹本社長は、次のように話す。

 竹本社長:「地域における活動に、税務署の皆さんというのは深い関連があるんですね。そういった意味で、こういったコラボというのは非常に社会的に、地域社会において非常に深い意味があるかなと思っています」

 企業などとのコラボ企画によって、「日本一のエンタメ鉄道」を目指す銚子電鉄。ドラマは今月10日ごろに、YouTubeで公開する予定だという。

 竹本社長:「ぜひ、このドラマを税務・スペクター(デーブ・スペクター)さんに、ご覧頂ければと思っております」

■竹本社長の“もう一つの顔”と「身を切る改革」

 銚子電鉄では「日本一のエンタメ鉄道」を目指しているが、竹本社長は、まさに身を切り挑戦している。

 竹本社長は、銚子電鉄に就任した2012年から給与は月15万円ほどだったが、7年ほど前から経営難を受け10万円に下げたそうだ。

 しかし、竹本社長は、銚子までは自宅からおよそ100キロあり、車通勤でのガソリン代や高速代で月に15万円ほどかかるそうで、まさに社長自身も“赤字状態”になっていた。

 ただ、昨年度の決算が黒字転換したことで、3カ月前から交通費の一部を請求するようにしたそうだ。

 とはいえ、月10万円でどのように生活しているのか、気になるところ。実は、竹本社長には、もう一つの顔がある。

 それが「税理士」としての顔だ。

 竹本社長は1986年に慶応義塾大学を卒業後、父親の影響で税理士の道へ進んだ。2005年に銚子電鉄の顧問税理士になり、その4年後には千葉市内に事務所を構え独立。2012年に、銚子電鉄の社長に就任し、2足のわらじで活動を続け、銚子電鉄での“赤字”分は税理士の収入で補っているそうだ。

 そんな竹本社長は税理士の資格を生かして、銚子税務署ともコラボしている。

 先月社長が1日税務署長をした際、子どもを対象にした税金教室を電車の中で開催。竹本社長は「銚子電鉄は、公共交通機関として社会的な責任を負っていると思っている。国民の義務である納税をしっかりと理解してもらうことも大切」だということで、様々なことに取り組んでいる。

 ミニドラマは完成間近だが、次回作についても構想を練っていて、すでにキャストを考えているそうだ。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年12月2日放送分より)

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