メス2頭だけのサイから精子・卵子のもとを作成 絶滅回避に光明 阪大[2022/12/10 04:00]

 絶滅危惧種・キタシロサイの精子や卵子のもとになる細胞を作ることに成功したと大阪大学が発表しました。絶滅の危機にある動物を救う第一歩になるかもしれません。

 大阪大学・林将文特任研究員(常勤):「今回、我々は野生動物シロサイにおいてPGC様細胞という精子や卵子のもとになる細胞を誘導することに世界で初めて成功しました」

 大阪大学の研究グループは、絶滅危惧種・キタシロサイのiPS細胞から精子や卵子のもとになるPGC様細胞を作り出すことに成功したと発表しました。

 野生動物からPGC様細胞を作り出したのは、世界で初めてだということです。

 アフリカ中部に生息していたキタシロサイは、密漁や環境破壊によりケニアの施設で保護されているメス2頭しか生き残っておらず、最後の雄は2018年に死んでしまったため、自然繁殖ができません。

 今後、PGC様細胞を精子や卵子に成熟させる培養技術を確立することができれば、キタシロサイの繁殖・保全が期待されます。

 林将文特任研究員(常勤)は「サイで得られた知識をもとに、他の絶滅危惧種でも応用していきたい」としています。

画像:オルペジェタ自然保護区、大阪大学提供

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