ペンギンに!氷山に!“観光の極致”南極ツアーを万全の装備と心構えで満喫する人びと[2022/12/16 20:00]

分厚い防寒着に救命胴衣の完全装備でクルーズ船からボートに乗り移る人びと。
1988年、南極旅行の様子を捉えた映像です。
南極旅行が本格化したのは1970年前後からで、80年代に入ると一気に盛んになり、クルーズ船は4隻、さらに90年代に入ると12隻に増え、ブームが訪れます。

南極ツアーの醍醐味は、なんといってもその絶景です。
海に浮かぶ巨大な氷山、ごうごうと流れる滝、そして、ペンギンたち。

南極大陸沿岸を進んでいると、現れたのは、ワールドディスカバラー号、当時、最大級の南極クルーズ船で、総トン数は3.724トン、全長87メートル、137人の客を乗せることができました。
ワールドディスカバラー号は、もちろん南極クルーズが中心ですが、南極観光のシーズンオフには、南太平洋の島々、北極圏まで文字通り世界の海をクルーズして回っていました。
そして2000年4月30日、南太平洋ソロモン諸島を航行中に座礁し、今もそのまま放置されています。
その姿は、グーグルアースで確認することができます。

と、それはまた別の話。
1988年当時のワールドディスカバラー号は、南極クルーズの花形でした。
氷を砕く砕氷船ならぬ、氷に耐える耐氷船として、ある程度の氷だったらその衝撃や圧力に耐えて進むことができました。

さて、先ほどのクルーズ船から乗り換えたツアー客を乗せたボート、ペンギンの住む地点に上陸します。
ペンギンたちがあちこちに群れを作っていて、ツアー客たちはさかんにカメラを向けます。
南極を訪れる際は、ペンギンたちを捕まえてはいけないのはもちろん、触ったり餌をやったり、近づきすぎて驚かせたりしないのがルールです。
とはいえ、ここでは手が届くほど近い距離で彼ら彼女らの生活を見ることができます。

まさに記念撮影ですね。

最近では1万トンを超える大型船も就航していて、年間3万人近くが訪れる南極。
南米から近い南極半島を目指すことが多く、南緯66度33分より南の南極圏までは行かないこともありますが、中には半島のもっと奥まで行って、南極圏に入るツアーもあります。
クルーズ船などでも上陸前にツアー客にレクチャーして、南極の貴重な環境を損なうことがないよう努めているそうです。

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