昨年度、全国で介護業務の関係者による高齢者への虐待が739件と調査開始以来、最も多くなったことが分かりました。家族や親族からの虐待で死亡した件数も過去最多です。
厚生労働省が全国の自治体に調査をしたところ、昨年度、介護老人福祉施設や居宅サービス事業に関わる人たちが高齢者に虐待をしたとする相談件数は2390件で、このうち739件が虐待と判断されました。
調査が始まった2006年度以降、過去最多となりました。身体的虐待が51.5%と最も多く、続いて、心理的虐待が38.1%でした。
また、家族や親族による虐待は、相談件数が3万6378件と9年連続で増加しています。このうち1万6426件が虐待と判断されました。
虐待を受けた高齢者のうち認知症の症状があった人が55%を占めました。
虐待をした理由については「介護疲れ・ストレス」が52.4%となっています。
また、死亡事例もこれまでで最も多い37人に上りました。
厚労省は「死亡事例も起きていて大変遺憾」としたうえで、「職員の研修や相談窓口の設置などが進み、高齢者虐待への意識も高まったため、これまで出てこなかったものが顕在化してきたのでは」と分析しています。
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