テレビの故障で110番?大原櫻子・通信指令本部長が適正利用呼びかけ[2023/01/09 15:35]

 歌手で女優の大原櫻子さんが10日の「110番の日」を前に、110番通報の適正な利用を呼び掛けました。去年は、「テレビが故障してワールドカップが見られない」などの不要不急と思われる通報が35万件以上あったということです。

 大原櫻子さんは東京・霞が関の警視庁本部で、都内の110番通報を受ける「通信指令本部」の一日本部長に就任しました。

 大原櫻子さん:「110番、警視庁です。事件ですか、事故ですか?落ち着いて下さい。すぐに警察官を向けます。あなたの今いる場所は何区何町ですか?あなたの声を聞きながら警察官が向かっています。落ち着いて私の質問に答えて下さい。被害に遭った時の状況を教えて下さい。分かりました。まもなく警察官が到着します」

 模擬110番で通報を受理した大原櫻子さん。

 今度は現場の警察官に指示を出します。

 大原櫻子さん:「現場へ急行せよ。場所、千代田区霞が関2丁目1番1号桜田アパートの前。自宅前で特殊詐欺の受け子に現金500万円を手渡したもの。犯人は30歳くらいの男。一見サラリーマン風。現金500万円の入った茶色ショルダーバッグを所持。臨場途中においても不審者の発見に努められたい、どうぞ。麹町あて110番、整理番号1番。指令時間10時20分。担当、大原櫻子です。どうぞ」

 警視庁によりますと、去年1年間の110番通報の188万件近くのうち、およそ2割の35万件以上が不要不急と思われるものでした。

 不要と思われるものは「テレビが故障してワールドカップが見られない」「携帯のIDが分からなくなった」「出前を頼もうとしたが店が電話に出ない」「110番通報に掛かるか試した」などでした。

 不急と思われるものは「免許証の更新手続きを教えてほしい」「インターネットで商品を購入し代金を支払った品物が届かない」などでした。

 警視庁は、不要不急の110番通報は事件や事故に対する初動の遅れにつながるので、悩み事や心配事などは「110番の前に#9を付けて電話」するよう呼び掛けています。

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