予報士のつぶやき 記録的暖かさで融雪災害の恐れ[2023/01/11 13:28]

あす1月12日は、最高気温の記録が出た日です。1909年1月12日、北海道の旭川では、なんと“最高”気温が−22.5℃でした。100年以上たった今もこれより低い最高気温は観測されていません。全国歴代1位の記録となっています。

そんな冬真っただ中の1月中旬ですが、今年はちょっと状況が違います。今週末、列島はゴールデンウィーク頃に流れ込むような強い暖気に覆われ、季節外れの暖かさになりそうなのです。

気象庁11日午前11時発表の週間予報によれば、青森は13日(金)の最高気温が14℃で、1月の観測史上最高気温を更新する見込みです。また、14日(土)には、大阪や広島、高松などで1月1位に迫る暖かさが予想されています。東京都心も17℃と桜が満開の頃の気温になりそうです。

寒さが緩み、暖かくなるのは嬉しい反面、心配なこともあります。この暖かさに加え、週末は広い範囲で雨が予想されていて、多雪地では雪解けが急速に進みそうなのです。

サムネイルの画像は上空1500m付近の予想気温ですが、年末からたびたび大雪に見舞われている東北や新潟でも3℃以上です。1500m級の山でも、降るものは雪ではなく雨となります。

気温0℃で降る新雪1cmは降水量1mmに相当するといわれています。仮に30cmの雪が解けると30mmの雨が降ったのと同じことになります。今は雪が降ってから時間がたち、雪の密度が大きくなっているので、雪解け水の量はこれよりさらに多くなると考えられます。

それほど強くない雨の降り方でも、雪解け水が加わることで、大雨になったのと同じ状況になります。土砂崩れや河川の増水、道路の冠水などの危険度が高まりますので、今週末は特に警戒をお願いします。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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