予報士のつぶやき 関東の雪予報 鍵握る3つの低気圧[2023/01/19 13:00]

22日(日)夜から23日(月)にかけて、関東平野部で雪の予報が出ています。今回、鍵を握るのは、3つの低気圧(日本海の低気圧、関東沖の低気圧、南岸低気圧)です。

日本海の低気圧は、南岸低気圧と南北に連なるように東へ進む予想です。関東は、この日本海の低気圧に向かって流れ込む暖気に覆われるので、南岸低気圧本体が近づいてきても平野部では雪ではなく雨になる可能性が高いと考えています。ただ、注意が必要なのは関東沖の低気圧です。

この関東沖の低気圧は、気温の低い22日(日)の夜から雨を降らせます。予想以上に発達して、降水域が関東全体に広がると、気温が低い内陸部を中心に雪になりそうです。

関東内陸で雪が降り気温が下がると、この冷たい空気が北よりの風に乗って沿岸部にも広がり、関東平野は冷気の層に覆われます。こうなると、日本海の低気圧と南岸低気圧が近づくことで流れ込んでくる暖気が、冷気層の上に乗り上げる形になり、地上では気温が上がらずに推移する可能性があります。深夜の雪が雨に変わることなく降り続き、南岸低気圧の接近時にはさらに雪が強まるという最悪のパターンです。

19日(木)時点の予想では、関東沖の低気圧は発達傾向がみられず、降水域がかかるのは千葉や茨城など沿岸部で、内陸部までは広がらない見通しです。南岸低気圧の接近時には暖気が入りますので、多くの人が移動する23日(月)の日中帯は雨になる可能性が高いとみています。

ただ、最後の最後まで油断できないのが南岸低気圧による関東の雪です。今シーズンはまだ東京で初雪が観測されておらず、平年より2週間以上遅れています。そろそろ雪が降ってもおかしくないと考えて、備えておくのが安心だと思います。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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