【秘境旅に殺到】白銀の世界を列車で2時間半…“マタギ発祥の地”人気のワケ[2023/01/20 18:47]

 雪深い山間を走る1両編成の列車。秋田県の豪雪地帯を縦断するローカル鉄道、「秋田内陸線」です。車窓からの景色は、まさに白銀の世界。大自然の絶景をゆったりと眺めながら列車に揺られ、たどり着く「秘境の宿」があります。

 猟銃を担いだマタギの像がある駅に到着。秋田駅からは、新幹線と内陸線でおよそ2時間半。その名も「阿仁マタギ駅」です。この無人駅から送迎車で3分。北秋田市の一番奥深い場所にある一軒宿、打当温泉「マタギの湯」。宿のロビーで出迎えるのは全長2メートル、巨大なヒグマの剥製。

 この地域は「マタギ発祥の地」と言われています。「マタギ」とは、古くからクマなどの狩猟を生業にしてきた人たちです。そのマタギたちが疲れや傷を癒やしたという、かけ流しの温泉。はるばる首都圏から宿泊客が続々と訪れています。

 千葉から来た人:「秋田内陸線が好きで何度も乗っている。景色も良いし、のんびりしていて良い」

 お得な切符を使った“大人旅”を満喫する人も。

 横浜から来た人:「4日間、JR東日本乗り放題きっぷ、1万5270円。新潟、秋田、角館、阿仁マタギ」

 コロナ禍で落ち込んでいた客足は、8割まで回復。

 打当温泉マタギの湯・斎藤英昭さん:「若い人も結構来ている。ここ数年、コロナの関係で海外からの客はほぼいなかったが、緩和されたおかげで結構海外からも来始めている」

 宿のなかには、国の重要有形民族文化財に指定されている「マタギ資料館」があります。「マタギの文化に触れたい」という、老若男女が全国各地から訪れるといいます。

 東京から来た人:「マタギの料理を食べようと思って」

 一番人気の料理が、この「熊鍋」です。

 打当温泉マタギの湯・斎藤英昭さん:「みそ仕立てで、野菜の甘みも出て熊の肉も結構柔らかい。脂身は甘い。隠し味でどぶろくを使っている。いざ食べてみると『ああ良かった』というお客がほとんど」

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