「ニコニコが逆に怖い」フィリピン収容中の容疑者2人“夜の街”時代の知人語る人物像[2023/01/29 22:30]

連続強盗事件についてです。
フィリピンで収容中の日本人の中に、指示役「ルフィ」はいるのでしょうか。
番組は一連の強盗・窃盗事件に関与している可能性がある2人の男が、
かつて働いていたという札幌の歓楽街すすきのを取材しました

▽「野心があった」“夜の街”の知人語る渡邉容疑者
北海道・最大の歓楽街「すすきの」。
(小川麻子ディレクター)「渡邉容疑者と今村容疑者はここすすきので、飲食店関連の仕事をしていたということです」
この一角にフィリピンで収容中の渡邉優樹容疑者(38)が経営していた飲食店が入っていたというビルがあります。
Q. この男なんですけど…
(渡邉優樹容疑者を知る飲食店店長)
「んー…1番右奥の方にあった店かなって思うんですけど」
Q. いつくらい?
「10年くらい経ってるんでしょうね。ただ、いつ開いてるかはわからない。たまに人が出入りしてるなくらいで。噂だと、ぼったくりみたいな」
Q. どういう感じの印象?
「風貌的にはおっかなそうな人ですよね。高そうな装飾品付けてたりはしてたからそれは覚えてたなって。やんちゃそうな人がつけてそうなごつい腕時計みたいな」

警視庁が特殊詐欺事件の窃盗などの疑いで逮捕状をとっているのは、渡邉優樹容疑者(38)と今村磨人容疑者(38)などフィリピンで収容中の日本人4人。このうち少なくとも渡邉容疑者と今村容疑者が、一連の強盗・窃盗事件に関与している可能性があると警視庁はみています。彼らが「ルフィ」を名乗る指示役だったのでしょうか?
(渡邉容疑者の親族)「皆様に申し訳ない気持ちです。老後のお金だったりとられてしまって、本人だけのうのうと生きている、なんて言ったらいいんですかね、つらいですね」
Q. 最後に会ったのは?
「もう何年も前です」
Q. 10年?
「10年かな」
Q. 連絡は普段?
「そうですね、とってないですね」

札幌時代の渡邉容疑者を知る人物によると高校卒業後にすすきので知人と飲食店の経営を始めたといいます。
(札幌時代の渡邉容疑者を知る人物)「『自分の店で働かないか』と地元の友人を夜の街に誘っていた。夜の街に染まる生活になりそのころから印象が変わってきた。裏社会の人たちとつながっていった」
渡邉容疑者が経営する店で従業員として働いていたという人物に話を聞くことができました。
(渡邉容疑者が経営していた店の元従業員)「渡邉優樹容疑者が経営してた店ですね。女の子の店やってまして、そこに自分が黒服として入ってました」
Q. 渡邉容疑者は当時どういう人だった?
「当時は普通にみんなにも優しくて、渡邉さんの家で鍋したりとか夜な夜な結構盛り上がりましたね。結構みんな面倒見がいいっていうか。ニュースとか見て、とてもじゃないけど考えられないっ。自分らに知らない面もあったのかもしれない。もしかしたら」
Q. お金に対してはどうだった?
「多少細かいのもあったと思いますよ。八百屋始めてみたりとか、いろいろ事業に手を出してますよ、不動産とか。自分でいろんな事業を拡大しようって野心があった」

▽特殊詐欺で逮捕状 容疑者2人の“接点”は
一方、渡邊容疑者と同い年で同じ北海道出身の今村容疑者も、すすきので飲食店を経営していたといいます。
Q. どんな関係?
(今村容疑者を知る元飲食店関係者)「昔一緒に飲んだことある人。僕が飲み屋をやってて、そこに来てた女の子の店のオーナーが今村磨人容疑者だった。すごい感じのいい人でしたよ。ニコニコしてる感じの人で。でも暴力団って聞いていたので言動には気をつけて接してました。ニコニコしてるのが逆に怖い感じしました。『キレると怖いよ』みたいな話は聞いたことありました」
札幌での接点は不明ですが共にここで飲食関係の仕事をしていた渡邉容疑者と今村容疑者。なぜ遠く離れたフィリピンに行ったのでしょうか?

▽「容疑者の所持品押収」収容所内に異変
4年前、フィリピンを拠点に日本の高齢者を狙って特殊詐欺をしていた日本人36人が拘束された事件。渡邉容疑者や今村容疑者らフィリピンの収容施設にいる日本人4人はこの事件に関与したとして逮捕状が出ています。捜査関係者への取材で渡邉容疑者がこの特殊詐欺グループの「主犯格」であることがわかりました。韓国のルポライターは、28日、施設にいる韓国人収容者に電話し渡邉容疑者とみられる人物の様子について話を聞いています。
(収容者に電話取材 金潤永さん)「その部屋は収容所で最もよい“VIP部屋” 。4人部屋でエアコンとトイレがある。渡邉容疑者は一番のボスである中国人と一緒だったので日本側ボスだと思われています。日本人に対しては荒っぽく命令してグループを束ねていても外国人に対してはとても優しかった。12、13人くらいが集まり賭博を楽しんでいましたが韓国のお金で1億ウォン(約1000万円)が動く時もありました。渡邉容疑者も大変楽しんでいたと聞いた」
自身も4年前、不法滞在で施設に入っていたルポライターは、施設の中では職員への賄賂が横行していて、日本人収容者たちが携帯電話で特殊詐欺を行う様子を目撃しています。
(収容者に電話取材 金潤永さん)「おととい(27日)夜9時に渡邉容疑者の部屋で(フィリピン当局が)所持品を押収した。それ以降、収容所は非常事態だそうです。監視・監督が厳しく携帯電話も安易に使えないと聞いている。」
フィリピン当局は2人の容疑者の身柄について、必要な資料やパスポートが準備でき次第日本側へ引き渡す方針です。しかし渡邉容疑者は現地で訴追され裁判手続き中のため今後、日本側と協議する方針です。


1月29日『サンデーステーション』より

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