男性不妊の治療に希望か 受精に欠かせない遺伝子発見[2023/02/01 18:17]

 男性の不妊治療に希望が見えるかもしれません。大阪大学の研究チームは、受精に欠かせない遺伝子を発見したと発表しました。

 日本を含む先進諸国では、カップルの6組に1組が不妊に悩み、半数程度は男性側に原因があるということです。

 不妊治療に関心が高まるなか、大阪大学の宮田治彦准教授らの研究チームは、正常な受精に欠かせない遺伝子を発見しました。

 精子は射出直後、頭部を覆う「先体」が破れ、そのことによって卵子と受精することができます。

 研究チームはこの現象に着目し、関係するとみられる3つの遺伝子を、それぞれ精子から取り除いたマウスで実験を重ねました。

 その結果、FER1L5と呼ばれる遺伝子を失った精子は、形態や運動性が正常であっても先体が破れなくなっていて受精できないことを確認しました。

 大阪大学・微生物病研究所、宮田治彦准教授:「“FER1L4”が欠損している雄マウスと“FER1L6”が欠損している雄マウスからは正常に子どもが生まれてきました。“FER1L5”が欠損している雄マウスからはほとんど子どもが生まれてきませんでした」

 研究チームによるとFER1L5は人間の精子にも存在しているということです。そのうえで、今回の発見が男性不妊の診断法の確立や治療法の開発につながるとしています。

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