「H3ロケット」打ち上げ中止…「申し訳ない」担当者は涙「がんばれー!」見物客ため息[2023/02/17 19:01]

 17日に予定されていた日本の新たな主力ロケット「H3」初号機の打ち上げが中止されたトラブルで、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が会見を開きました。何が原因だったのでしょうか。プロジェクトチームの担当者は「申し訳ない」と涙ながらに悔しさをにじませました。

 歴史的な打ち上げの瞬間に立ち合おうと鹿児島県の種子島には大勢の見物客が。

 見物人:「うぉ〜!」「(Q.きょうはロケットは初めて?)はい!宇宙飛行士になりたいです!」

 国際的な価格競争のなか、開発されたH3ロケットの初号機は先代の「H-IIA」に比べ、打ち上げコストはなんと半分のおよそ50億円。あのスペースX社の主力ロケットよりも15億円も安く、この打ち上げは世界から注目されています。

 初の打ち上げまでは30秒前…。メインエンジンに着火すると、大量の白煙が。見物人のテンションも最高潮。しかし、カウントダウン終了後もロケットの姿は見えず、白煙のみ。

 実況:「機体は…どうでしょう?打ち上がる様子はありません。さあ、これはどうしたんでしょうか?」

 地元の小学生:「飛ばないの〜?先生、失敗ですか?」
 先生:「まだまだ!『がんばれ〜!』って応援して!」
 地元の小学生:「がんばれー!」

 最新のH3ロケットに一体、何が起こったのか。

 アナウンス:「これをもちまして打ち上げ実況放送を終了します」

 西之表市からの見物人:「もう残念です。学校もせっかく休んできたのに」

 東京からの見物人:「ロケットって打ち上がらないことが多いので、しょうがないかなと思ってきてますから」

 では、今回なぜ打ち上がらなかったのか。

 JAXA広報:「ロケットの両側に付いている固体ブースターへの着火がなかった」「(Q.『失敗』ということになりますか?)いえ、まだ打ち上げていないので『失敗』とは判断できないと思います」

 ロケットには、メインエンジンを補うため「ブースター」を使用します。重量を少しでも軽くするため、打ち上げの直後に切り離せるように側面に付いています。

 打ち上げの6.3秒前に行われる、メインエンジンは着火しましたが、今回は打ち上げ0.4秒前に行う「ブースター」が着火しなかったそうです。

 今回の映像を見ると、メインエンジンが着火した後、白煙が大量に上がりますが、その後、側面のブースターからは煙が出ていないようにも見えます。

 H3プロジェクトチームの岡田氏は、涙ながらに悔しさをにじませました。

 JAXA・H3プロジェクトマネージャ、岡田匡史さん:「見守って下さっていた方々が大勢いらっしゃいますので、申し訳ないと思っていますし、我々もものすごく悔しいです。はい、すみません」

 JAXAは詳しい原因を究明したうえで、年度内の打ち上げを目指したいとしています。

※「H-IIA」は正しくはローマ数字

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