予報士のつぶやき 花粉飛散数 過去10年で最多か[2023/02/23 13:26]

「今年の花粉はつらい…」、「ついに…花粉症デビューしてしまった」、最近そんな声が多く聞かれるようになりました。私自身も花粉症なのですが、今年は例年以上に症状がひどいと感じています。

それもそのはずです。環境省が行ったスギ雄花花芽調査によれば、今年は東京都をはじめ、福島県、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、京都府、兵庫県、岡山県、鳥取県、広島県、福岡県では、スギ雄花が過去10年の最大数より多く、花粉飛散数が極めて多くなると見込まれているのです。

その他の地域も、東北南部から九州にかけて、スギの雄花が前年より多いという結果が出ていますので、花粉飛散数が多くなりそうです。

■こんな日は特に注意!
花粉の飛散数は天気に大きく左右されます。花粉が特に飛びやすい気象条件は以下の3つです。
(1)雨上がり
雨が降った翌日は晴れると花粉が一気に飛び出します。雨で地面に落ちた花粉が乾いて舞い上がることもあり、上からも下からも花粉が飛んでくるという状況にもなりかねません。
(2)風が強い
花粉が広く、遠くへ飛ばされます。特に、スギが多い山の方角から強い風が吹く時は要注意です。
(3)晴れて暖かい
春は大陸の乾いた空気を持つ高気圧がたびたびやってきます。晴れると空気が乾燥するので、花粉が湿気に邪魔されることなく飛び出します。気温が高いほど、花から飛び出す花粉は多くなります。

■花粉が多く飛ぶ時間帯は?
一日の中で花粉が多い時間を意識することも大切です。飛散数のピークは一日の中で二回あり、一回目は昼頃です。気温上昇とともに花から出てきた花粉が次々にやってくるタイミングです。二回目は夕方。日中、空高く舞い上がっていた花粉が地上付近に落ちてくる時間にあたります。

特に、花粉飛散数が多くなる上記(1)〜(3)の気象条件に当てはまるような日は、昼頃と夕方の外出を控えるのも花粉対策として有効です。

来週は暖気が優勢になり、全国的に暖かくなると予想されています。今週以上に花粉飛散数が多くなる恐れも。花粉が付きにくいポリエステル素材の衣類を着用する、帽子をかぶる、メガネをかけるなど、できる対策をしっかりと行うようにしましょう。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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