諫早湾開門「無効化」裁判で漁業者側の上告棄却 最高裁[2023/03/02 16:26]

 長崎県の諫早湾干拓事業を巡り、排水門の開門を認めた確定判決の「無効化」を国が求めた裁判で、最高裁は開門を訴えた漁業者側の上告を退ける決定をしました。

 諫早湾の干拓事業では1997年に国が堤防を閉め切った後、漁業者側が開門を求める訴えを起こし、開門を命じる判決が出され、確定しました。

 その後、国が開門の判決の「無効化」を求める裁判を起こし、福岡高裁は去年、「漁獲量は増加傾向にある」「排水門を常時開放した場合に生じる支障も大きい」などとして国の主張を認める判決を言い渡しました。

 漁業者側はこの判決を不服として上告していましたが、最高裁は1日付で上告を退ける決定をしました。

 諫早湾干拓事業を巡っては、開門を命じた確定判決が出た一方で農業者側が起こした別の裁判では開門を差し止める判決が確定していて、司法の判断が矛盾する「ねじれ状態」が生じていました。

 今回の最高裁の決定で開門を命じた確定判決は事実上、無効化され「ねじれ状態」が解消することになります。

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