予報士のつぶやき 異例の暖かさ サクラ開花記録的か[2023/03/10 12:20]

ここ数日、全国的に季節外れの暖かさとなっています。
きょう10日も東京はすでに
午前10時過ぎに20℃に到達しました。
3日連続で20℃以上となるのは
この時期としては10年ぶりのことです。
この暖かさでサクラのつぼみの膨らみが
一気に進んでいます。

■民間気象会社の予想も早まる
各民間の気象会社は
それぞれソメイヨシノの開花を予想していて
その予想も過去最早に迫るような日にちで揃っています。

ウェザーニューズは
3月15日に東京

ウェザーマップは
3月16日に東京、福岡

日本気象協会は
3月16日に東京、福岡、高知
で開花スタートの予想です。

【過去最早の開花】
東京 3月14日(2021年、2020年)
高知 3月10日(2010年)
福岡 3月12日(2021年)

■サクラ開花のカギは600℃
またサクラ開花の目安として知られているのが
「600℃の法則」
2月からの最高気温の積算が600℃に達すると
サクラが開花するというものです。

東京を例にみてみると、
今年(2023年)の最高気温の合計は
499.4℃(2月1日〜3月9日)

過去最も開花が早かった
2021年と2020年の同時期と比べると
2021年は526.6℃、2020年は511.3℃
とこの時点では今年のほうが
気温の合計は下回っています。

ただ、今年はこの先も暖かさが続くため
予想最高気温を足すと、3月15日には
600℃を超える見込みです。

この法則からみても、サクラの開花は
歴代上位の早さになる可能性があります。

一般的に開花からおよそ1週間程度で
満開になるといわれていますが、
今年は高温傾向が続くため、
開花から満開までの期間も短く
満開も記録的な早さになるかもしれません。
3月下旬には続々と見頃ラッシュとなりそうです。

■温暖化も影響か
今年に限った話ではなく、
サクラの開花は1953年以降、全国平均で
10年あたり1.1日の変化率で早くなっています。
東京のサクラの開花の平年日は
以前は3月29日だったのが
現在は3月24日と5日も早まっています。
この要因のひとつとして、
長期的な気温の上昇が挙げられます。
(参照:気象庁気候変動監視レポート)

心浮き立つサクラシーズンですが、
気候の変化や季節の早まりを肌で感じ
一人一人が気候変動について
考えるきっかけにもなればと思います。


テレビ朝日気象デスク 久能木百香

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