日本最大のサンゴ礁“石西礁湖”白化率5割まで戻るも「死んだサンゴ目の当たりに」[2023/03/14 16:35]

 去年9月の環境省の調査で9割以上のサンゴに白化現象が起こっていた日本最大のサンゴ礁「石西礁湖」で、白化の割合が5割にまで低下し、サンゴが回復してきていることが分かりました。

 サンゴは水温が高い状態が続くと色の元になっている「褐虫藻」という植物プランクトンが抜け出て白くなります。

 これは「白化現象」と呼ばれ、白化が続くとサンゴは死んでしまう恐れが高くなります。

 環境省によりますと、去年の夏、沖縄周辺の海は記録的に高い水温になっていて、大規模な「白化現象」が発生しました。

 去年9月、沖縄の石垣島と西表島の間に広がる日本最大のサンゴ礁「石西礁湖」の31カ所を調査した結果、平均で92.8%のサンゴで白化現象が起きていました。

 今月14日、環境省は、その3カ月後の12月に再び同じ場所で調査を行った結果を公表しました。

 9割以上に達していた平均白化率は50.2%まで低下していました。

 回復の理由として、9月の調査後に相次いで台風が接近し、海水がかき混ぜられて水温が下がったことや2016年の大規模白化後にサンゴが高い水温に対して強い種に変化していたことが考えられるということです。

 調査を担当した環境省の石垣自然保護官事務所・大嶽若緒自然保護官は「白化率は低下したが、去年12月の調査時でも多くの死んでしまったサンゴを目の当たりにした。今後どのようにサンゴが推移していくのか注意深くモニタリングしていきたい」としています。

画像:環境省提供

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