「裁判の現実知って」 袴田事件の再審開始決定受け 映画監督らが法改正訴え[2023/03/14 19:00]

 いわゆる「袴田事件」の再審=裁判のやり直しを東京高裁が認めたことを受け、映画監督らによる市民団体が検察側の不服申し立ての禁止などを定める新たな法整備の必要性を訴えました。

 袴田巌さん(87)は1966年、当時の静岡県清水市で4人が殺害された事件で死刑が確定しましたが、無実を訴えて再審を求めています。

 東京高裁は今月13日、捜査機関による証拠の捏造(ねつぞう)の疑いを指摘し、「袴田さんを犯人とした確定判決の認定に合理的疑いが生じる」として再審開始を認める決定をしました。

 これを受け、映画監督の周防正行さんが共同代表を務める市民団体が14日会見を開き、検察側の不服申し立ての禁止や証拠の全面開示などを定める新たな法整備の必要性を訴えました。

 周防さんは痴漢冤罪(えんざい)が題材の映画「それでもボクはやってない」に触れ、「袴田事件は特別な事件ではない。痴漢事件などと基本的構造は変わらない」「袴田事件は多くの人に刑事裁判の現実を知ってもらう機会」だと述べました。

こちらも読まれています