予報士のつぶやき 東京の桜 満開までも急ピッチ[2023/03/15 14:26]

きのう14日、東京でソメイヨシノが開花し、2023年の桜前線がスタートしました。東京では、2020年と2021年に並び統計史上最も早い開花となりましたが、今年は満開も記録的な早さになるかもしれません。

桜の開花日を予想する方法として “600℃の法則”が知られています。「予報士のつぶやき」でも何度か登場していますが、2月1日からの最高気温を足していき、600℃に到達する頃に桜が開花するというものです。

今年はというと、きのう14日時点で593.2℃で、きょう15日に600℃に到達しました。開花日と600℃到達のズレはわずか一日です。1953年の統計開始からのデータを振り返ってみると、ぴったり一致したのは9回もあり、全体の約4割が前後1日のズレに収まっています。

では、開花から満開までの日数も最高気温の積算が関係するのか、過去データを検証してみると、必ずしもそうではありませんでした。積算が最も少なかったのは1964年。わずか65.3℃で満開になっています。一方、最も多かった1966年は220.5℃でした。その他、去年は100.9℃、2021年は154.7℃と年によってバラバラです。

どうやら、満開までの日数には、“開花した直後から暖かさが続くかとどうか”が大きく影響するようです。開花から満開までの日数と、開花から満開になるまでの平均最高気温には逆相関の関係があることがわかりました。

1964年は平均最高気温が21.8℃と高く、わずか3日で満開になっています。同じく平均最高気温が20℃を超えた1998年も4日で満開になりました。一方、平均最高気温が11.3℃と低く、開花後に暖かさが続かなかった2010年は、満開まで10日もかかっています。

今年はどうでしょうか。週末土曜日は一時的な寒の戻りがあるものの、その他の日は4月並みの暖かさが予想されています。さすがに3日〜4日で満開になってしまうことはなさそうですが、例年よりも早く咲き進みそうです。

東京のソメイヨシノの満開が、統計史上最も早かったのは3月21日(2002年)。今年はその記録を塗り替えるかもしれません。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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