【速報】ベトナム人元実習生の双子遺棄事件 最高裁が逆転無罪判決[2023/03/24 15:30]

 技能実習生だったベトナム人の女性が死産した双子の遺体を遺棄した罪に問われた裁判で、最高裁は二審の有罪判決を破棄して逆転無罪の判決を言い渡しました。

 【死産翌日に事件発覚】
 熊本県芦北町で技能実習生だったベトナム人の女性(24)は2020年11月、実習先の寮で死産した双子の遺体を遺棄した罪に問われました。

 女性は「妊娠がわかれば帰国させられる」と考え、周囲に相談せず、死産の翌日に病院を受診したことで事件が発覚しました。

 【女性の行為が「遺棄」にあたるのか?】
 裁判で争点になったのは、遺体を二重にした段ボール箱に入れて接着テープで封をした女性の行為が「遺棄」にあたるのかどうかです。

 女性側は「埋葬する意思のもと行った安置である」として無罪を主張していましたが、一審の熊本地裁は「遺体を段ボールに入れて部屋に置き続けた行為は遺棄にあたる」として、懲役8カ月執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

 一方、二審の福岡高裁は「死産から遺体が見つかるまでの期間は1日と9時間にとどまり、部屋に置き続けた行為は遺棄にあたらない」と判断し、一審判決を破棄しました。

 そのうえで「他者が遺体を発見することが困難な状況を作ったことは遺棄にあたる」として、懲役3カ月執行猶予2年の有罪判決を言い渡しました。

 【「すべての女性のために」最高裁で逆転無罪】
 この判決を不服として女性側は上告していて、最高裁は今月24日、二審の有罪判決を破棄して逆転無罪の判決を言い渡しました。

 最高裁は先月、判決の変更に必要な手続きである弁論を開いていて、その後の会見で女性は「妊娠を誰にも言えずに苦しんでいる技能実習生や1人で子どもを出産せざるを得ないすべての女性のためにも無罪判決が言い渡されることを願っています」と語っていました。

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