記録ラッシュの桜前線 最速でゴールへ[2023/04/17 16:00]

先週14(金)函館でソメイヨシノの開花が発表され、桜前線は過去最も早く津軽海峡を渡り北海道に到達しました。
そして15(土)には札幌でも開花して気象台が発表するソメイヨシノの開花は残すところ室蘭のみとなりました。
今年は3月14日に東京から始まった桜前線。
室蘭でも今週中には咲く見込みで、4月23日までに咲けば過去最も早く、すべての観測地点でソメイヨシノの開花が完了したことになります。

今年は開花も満開も過去最も早い記録が続出する異例の事態となりました。

現在、ソメイヨシノは九州から北海道にかけての48地点で観測されていて、2023年はなんとこれまで24地点と半数で過去最も早い開花となりました。

なぜここまで開花が早まったのか。

要因の一つに3月の記録的高温があります。

今年の3月は暖かい空気が流れ込みやすかったため、1946 年の統計開始以降で北日本と東日本で 1位、西日本で1位タイの高温となりました。
温暖化の影響で桜の開花がかなり早まっているとは間違いなさそうです。

また、地域別のソメイヨシノ開花の平年比を大まかに比べると次のようになります。
九州と四国は平年並み〜平年より5日早く開花
中国地方と近畿は平年より5日〜10日早く開花
東海から関東甲信、北陸は平年より1週間〜2週間早く開花
東北と北海道は平年より2週間程度早く開花となっています。

北日本ほど平年より大幅に早く咲いていることがわかります。

ソメイヨシノの開花のみで判断するのは尚早かもしれませんが、環境省によると北極などの高緯度地域ほど温暖化のスピードが速いとされていることから、日本も寒冷な地域ほど温暖化の影響が大きく出ていると私は思います。

ウェザーマップによりますと、残る室蘭のソメイヨシノは4月21日に咲く予想で、過去最も早く桜前線がゴールする見込みです。

ちなみに今年のソメイヨシノ「満開」は、これまで18地点で過去最も早く、北日本は平年より2週間以上早い所が多くなりました。

今年はようやく行動制限なしのお花見ができるようになったにも関わらず、桜イベントや予定していたお花見の時期がずれてしまったり、東京などは満開から雨やくもりが続いたり、期待通りに桜を楽しめなかった人が多いと思います。

ただ、桜は来年も咲きます!

平年の見ごろは役に立たなくなってきていますので、旅行やイベントお花見の計画は毎年1月に気象会社から出される桜開花満開予想を見てからがおすすめです。

テレビ朝日気象デスク 佐藤圭一

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