外国人観光客の駆け込み寺「新宿観光案内所」 難題&SOSが続出 どう解決?[2023/05/20 11:00]

外国人からのSOSが殺到している「新宿観光案内所」。春なのに「心霊ツアーに行きたい」というオーストラリア人男性や…なぜか、宝くじを持ち込んだ謎のタイ人男性。実にバラエティ豊かな相談の数々を、どう解決していくのか!?

■豪人女性感激 “レアもの”大捜索

オーストラリアから来たご夫婦。あるモノが手に入らず、困っていました。

新宿観光案内所スタッフ:「母国では、どこで購入されている?」

オーストラリア人:「スーパーマーケットよ」

スタッフ:「スーパー…」

オーストラリア人:「ラクトースフリーの牛乳は、日本にはないのかしら?」

女性が探している、ラクトースフリーとは「乳糖が含まれない牛乳」のこと。オーストラリアでは、当たり前に売られているそうですが、日本では一般的な商品ではありません。

女性は体質上、普通の牛乳を飲むと、お腹をくだしてしまうと聞いた、案内所のスタッフは…。

スタッフ:「ラクトースフリーの商品をお探しの方がいるんですけど…」「ラクトースフリー、そちらでお取り扱いないかなと」

近くのスーパーに、一斉に問い合わせ。そして、5分後…。

スタッフ:「完全にフリーではなく80%カットの商品は見つけました」

オーストラリア人:「おそらく、それなら大丈夫」

近くのスーパーに、希望に近い商品があることを発見。さらに、スタッフは女性を気遣い、こんなアドバイスもしました。

スタッフ:「もしご心配なら、胃腸薬をお買い求めになるといいかもしれません。どこの薬局にも置いています。楽に消化を助けてくれますよ」

オーストラリアから:「完璧よ。ありがとう!」

最後に女性がスーパーで困らぬように、メモも手渡しました。

オーストラリア人:「とても役に立ったわ。大抵は『分かりません』で終わるけど、彼らはよく調べてくれて助かったわ」

■春なのに「心霊ツアーに行きたい」 なぜ?

この日訪れた、オーストラリア人男性。その相談に、スタッフは困惑することになります。

オーストラリア人:「どこかで幽霊ツアーはやっていないかな?お化けツアーだよ」

スタッフ:「お化けツアーですか!?どういったものでしょう?」

オーストラリア人:「東京の心霊スポットを見て回るような」

スタッフ:「ちょっとお時間をいただけますか?」

「心霊スポット」を見たい!というオーストラリア人。夏場ならともかく、春の今の時期にそんなツアーが存在するのか…。

スタッフ:「何かアイデアありますか?」

女性スタッフ:「iPadで探してみます。お化け屋敷くらいのほうが良いかな?」

スタッフ:「カリフォルニアとかに行くと、そういう(ツアーが)あるんですよ」

女性スタッフ:「でも夏だよね。日本でそういうのがあるのね」

スタッフ:「難しくない?それ…」

男性のリクエストに応えようと、スタッフ総出で探します。すると10分後、見事!男性の希望する「幽霊ツアー」を提案できました。

スタッフ:「これが希望される内容のツアーかと。浅草エリアを回る『恐怖の東京下町心霊ツアー』です。あす、あさってなら、こちらに参加可能です」

この幽霊ツアー、怪談の専門家と一緒に怖い話や民話を聞きながら、日没後、浅草の墓地やお寺などを巡ります。ホラー好きな外国人たちに、年間を通して大人気!多い時には60人ほどの予約が入ることもあるそうです。

スタッフ:「なかなか面白そうですよ」

オーストラリア人:「確かに、面白そうだね」

それにしても、なぜ心霊ツアーに?

オーストラリア人:「私は変わりモノ好きでね。実は他の案内所でも聞いてみたんだけど、『ありません』と言われたんだ。でも、ここでは見つけてくれた。とても満足しているよ」

■観光案内所に“宝くじ” スタッフ気配りに感謝

一日400人以上。月に1万人もの客が訪れる「新宿観光案内所」。語学堪能なスタッフたちが英語はもちろん、7カ国語に対応しています。モットーは、どんな相談にも、簡単には「NO」とは言わないことだそうです。

スタッフ:「難題や質問もたくさんいただくので、そういったことにも代替案をしっかりお伝えしています」

この日やってきたのは、ほほ笑みの国・タイからの観光客です。

タイ人:「これを確認してほしいんだけど…」

女性スタッフに何かを手渡す男性。

タイ人:「当たっていたら何かプレゼントするから!」

男性が手渡したのは何と、宝くじ。

タイ人:「どうだい?当たっているかい?」

スタッフ:「そう祈っていますよ」

実は、3カ月前に日本で購入した宝くじの当選番号を確認してほしいとやって来ました。でも、残念ながらハズレ。ところが、男性は落ち込んだ様子も見せず、こんなことを口にします。

タイ人:「占い師に言われたんだ『あなた今年はめちゃくちゃ運が良い』と。だから、ありとあらゆるくじを買おうと思って。もし大金が当たったら、また日本に来られるでしょ?」

取材班がインタビューを終えると、なぜか案内所のスタッフが、タイ人の男性を追い掛けます。

スタッフ:「よろしければ、宝くじ売り場にご案内しますが…」

男性の自信満々の雰囲気に押されてか、見落としがあってはいけないと、宝くじ売り場で確認してもらうことを勧めたのです。

すると1時間後、なんと案内所に再び男性の姿が!まさか…。

タイ人:「100円当たっていたよ!見て!ラッキーでしょ!」

末尾1ケタの100円が当たっていたんだとか!金額よりも、案内所スタッフの気配りにどうしてもお礼を言いたかったのだとか。

タイ人:「コップンカー!(ありがとう)」

■緊急事態! イタリア人“大切な宝物”紛失

この日、「観光案内所」に焦った様子の男性が…。

5年前から日本に住む パウロさん(34):「かばんがない…」

スタッフ:「お金を払っていない?」

パウロさん:「そう」

スタッフ:「ではコール、電話します」

大事なかばんをなくしてしまったというパウロさんは、5年前から、日本で暮らすイタリア人です。

パウロさん:「自分のかばんをコインロッカーに預けたんですが、うっかりお金を払い忘れていて…。戻ってみたら、ロッカーが空っぽだったんですよ…」

考え事をしていて、お金を払い忘れていたというパウロさん。かばんには“大切な宝物”が入っていたといいます。

スタッフ:「スポーツバッグで黒色。2時間ほど前だそうです」

コインロッカーの管理会社に問い合わせるスタッフ。すると5分後、管理会社のスタッフがかばんを持ってきました。

パウロさん:「そう、そう!それ!」

管理会社のスタッフが見回りの際、鍵が掛かっていなかったため、中に入っていたかばんを保管していました。

パウロさん:「すみません、ありがとうございました」

ところで、かばんに入っていた大切な宝物って?

パウロさん:「(かばんの)中身は、僕の装備品」

え?装備品…?その正体は想像のはるか上をいっていました。なんと「鎧(よろい)」!まさに「装備品」でした。

パウロさん:「無事にかばんが見つかってラッキーでした」

重量およそ40キロ。鋼鉄製の鎧を身にまとって行う、中世ヨーロッパの剣術を学べるという道場。コロナ禍で自宅に閉じこもりがちな時期に、ネットで見つけ通うようになったのだとか。

パウロさん:「6カ月で10キロもダイエットできたんです。案内所の人たちがいなかったら、僕はきょう、ここにいません。本当に感謝しています」

■米人女性「大冒険」 初日に悲劇

アメリカからやってきた女性、来日早々困っていました。

アメリカから レズリーさん(31):「安いスマホを買いたいの。高性能である必要はないから」

中古のスマホ販売店を案内するスタッフ。それにしても、何があったんでしょうか?

レズリーさん:「聞いてよ!スマホが壊れちゃったのよ!東京に着いた瞬間によ!」

アメリカからの一人旅だというレズリーさん。突然、スマホの電源が入らなくなってしまったそうです。

レズリーさん:「まるで素っ裸で放り出された気分よ…。スマホに依存したらダメね。地図も、旅のスケジュールも印刷してこなかった、もう最悪よ」

案内された、中古のスマホ販売店に到着したレズリーさん。

レズリーさん:「画素数はどうなのかしら…日本語が読めないわ」

店員:「こちらは1300万画素ですね」

レズリーさん:「1300万画素ね。OK!」

スマホをなるべく早く手に入れたかったのは、日本での思い出を少しでも多く残したかったという理由も…。

レズリーさん:「当たり前じゃない!はるばる日本に来て、写真を撮らないとかある?」

さて、念願のスマホを手に入れて、まずは何の写真を撮りますか?

レズリーさん:「まずは、私が取材を受けているシーンを撮って!私にとって大冒険だから残したいの」

こちらが記念すべき1枚目、出来栄えはいかがですか?

レズリーさん:「やだぁ!もう一回撮り直し!今度はウエストを引っ込めるから」

外国人観光客の駆け込み寺はきょうも、誰かのSOSに応えています。

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