G7科技相会合 共同声明を採択 研究が不当に悪用される可能性増大を懸念[2023/05/13 16:05]
仙台市で開かれたG7科学技術大臣会合は13日、開かれた研究環境が不当に悪用される可能性が増大しているとの懸念を表明した共同声明を採択しました。
高市科学技術担当大臣:「一部の行為者が開かれた研究環境を不当に利用して、研究成果を悪用しようとする懸念が増大している認識を共有しました」
共同声明は2日間にわたって開かれた閣僚級会合で取りまとめられました。
声明では、各国の科学研究のデータや論文を誰でも自由にアクセスできるようにする「オープン・サイエンス」について拡大することで同意し、科学技術の進歩のために研究データを速やかに共有する方針で一致しました。
一方で「一部の行為者が開かれた研究環境を不当に利用し、ゆがめて、研究結果を経済的、軍事的な目的のために不正に流用しようとする可能性が増大している」との懸念を明記しました。
特定の国の名前を挙げることは避けています。
また、地球規模の課題の解決に向けて「宇宙・海洋分野の国際協力」についても取りまとめられました。
世界的な気候変動などの問題に取り組むため、地球温暖化の影響を顕著に受けている北極や南極といった「極域」と呼ばれる海域の観測を強化する方針がG7(主要7カ国)の共同声明に初めて盛り込まれました。
また、宇宙を巡っては老朽化した人工衛星や打ち上げで使われたロケットなど近年、増加している宇宙空間に散らばるごみへの対応についても始めて取り上げられました。
宇宙ごみを削減する技術開発をG7で協力して進めていくことで同意しています。