“観測史上最大規模エルニーニョ”の恐れなのに“暑い夏”? 気象庁が3カ月予報発表[2023/05/23 20:31]

 今年は夏までにエルニーニョ現象が発生し、観測史上最大規模になる恐れもあるとされています。

 エルニーニョ発生時は日本では冷夏になることが多いのですが、気象庁は反対に「この夏は全国的に気温が平年並みか高い」とする予報を発表しました。

 「エルニーニョ現象」は南米のペルー沖で海面の水温が平年より高くなる現象です。

 気象庁は今月、「『エルニーニョ現象』がこの夏までに発生する可能性が高い」「観測史上最大となった1997年のレベルに近付いている」としていました。

 発生時は世界中で豪雨などの異常気象が見られ、日本では夏の気温が低くなるほか、ところによって降水量が多くなる傾向があるといわれています。

 ところが、気象庁が23日に発表した3カ月予報はこれまでのエルニーニョの傾向とは真逆の内容でした。

 6月から8月の天候について、「全国的に気温は平年並みか高くなり、降水量は平年並み」だとしています。

 「全般に高温となる傾向が予測され、十分な熱中症対策をお願いしたい」と呼び掛けています。

 理由について気象庁・異常気象情報センターの楳田貴郁所長は、ペルー沖で海面の水温が低くなる「ラニーニャ現象」が終息してまもないことなどを挙げています。

 そのうえで、「ラニーニャの影響が残る見込みだ」「ラニーニャが終息してすぐにエルニーニョが始まるのはこの40年間は起きていなかった現象で予想が大変難しかった」としています。

 一方で、秋以降はエルニーニョ現象の影響が顕著になる可能性も指摘しています。

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