アメリカザリガニ“ミドリガメ”野外放出違法に 飼えなくなったらどうすれば… 環境省[2023/05/26 20:50]

 ペットとして親しみのある「アメリカザリガニ」とミドリガメと呼ばれる「アカミミガメ」が6月1日から条件付き特定外来生物に指定されます。野外へ逃がすことなどが違法となり、懲役や罰金が科される可能性もあります。

 西村環境大臣:「6月1日以降、アカミミガメ及びアメリカザリガニの野外への放出、販売、購入などを許可なく行うことが禁止されます。絶対に屋外に放出せず、最後まで大切に飼っていただくようお願いを致します」

 アメリカザリガニとミドリガメと呼ばれるアカミミガメは、6月1日から条件付きの特定外来生物に指定されます。

 一般の人が家庭でペットとして飼うことは届け出などなく今後も認められますが、野外へ放したり、販売や輸入などを行うことは禁止されます。また、十分な対策をせずに逃げ出した場合も違法となる可能性があります。

 環境省外来生物対策室・武藤静室長補佐:「こちらは環境省のアメリカザリガニとアカミミガメの相談ダイヤルの番号。こちらで今回の規制の内容でしたり、飼育の相談などを受け付けております」

 環境省では、対処に困った際に問い合わせができる相談ダイヤルを設置していて、4月末までに267件の相談がありました。

 環境省外来生物対策室・武藤静室長補佐:「一度持ち帰ったものは、できるだけ最後まで飼って頂きたい。安易に持ち帰らないということは(家庭で)話し合って頂きたいなと」

 飼うことが難しくなった場合はどうするのか。環境省は他に最後まで飼える人を探して無償で譲り渡してほしいとしています。

 そのうえで。

 環境省外来生物対策室・武藤静室長補佐:「譲り渡し先が見つからなかった場合には可哀想ではあるんですけど、できるだけ苦痛を与えないように、その命を終わらせて頂くこともやむを得ないかなと」「(Q.いわゆる殺処分?)そうですね、はい」

 具体的には対応可能な事業者を探すほか、「冷凍」という手段もあるとします。

 専門の冷凍庫が望ましいとしたうえで、それがない場合は家庭の冷凍庫の食材をすべて出し、ザリガニをタッパーなどに入れてさらにテープで密閉し、厚手のビニール袋に入れて1週間ほど置くとしています。取り出した後も冷凍庫内の消毒を行うなど、注意をしてほしいということです。

 環境省によりますと、日本国内では家庭などでアメリカザリガニが約540万匹、アカミミガメは約160万匹、飼育されていると推定されています。

 アメリカザリガニが侵入した水場では在来種が絶滅してしまった事例も報告されるなど、生態系に大きな影響を与えることから今回の規制が検討されました。

 6月1日からは違反すると最大で3年以下の懲役、または300万円以下の罰金、その両方がかかる可能性もあるということです。

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