長野“4人殺害”青木容疑者と銃の接点は?クレー射撃の大会に参加も「一匹狼の印象」[2023/05/28 23:30]

長野県中野市で男女4人が猟銃や刃物で殺害された事件で、先ほど被害者の警察官の通夜が営まれました。
逮捕された青木容疑者は猟銃をいつ、どのようにして入手したのか探りました。

▽長野“4人殺害”容疑者は4丁の「銃」所持

きょう28日も、容疑者の自宅では鑑識作業が行われていました。
(佐々木一真アナウンサー)「先ほど鑑識作業が終わり、規制線の範囲が狭くなりました。こちらは銃撃のあった現場です。パトカーはちょうどこのあたりに止まっていて、今は建物にブルーシートがかけられています。きょうは銃撃を受けた玉井良樹警部補の通夜が長野市内の葬儀場で営まれました」

目撃者によると、青木容疑者は駆けつけた警察官2人に至近距離から猟銃を発砲。中野警察署の玉井良樹警部補と、池内卓夫巡査部長が死亡しています。
(事件の目撃者)「クレー射撃で使うようなのじゃないかな。ニヤって笑っているような感じで撃っていたような気がするんだけどね」
警察によると、青木政憲容疑者は2015年から散弾銃など4丁の所持許可を県の公安委員会から得ていました。地元の猟友会にも所属していましたが…
(青木容疑者が所属する猟友会の会長)「俺は全然(青木容疑者と)面識はないんで、事務局から、事件があってから調べたら登録されているということで」
Q. 活動は?
「活動はしていなかったみたいだからな」
Q.(青木容疑者は)銃を持ちたかったということ?
「そういう人はいっぱいいるよね、好きで。許可さえ取ってやっていれば全然法律で問題ないし」
青木容疑者は何のために銃を4丁も持っていたのでしょうか?

▽射撃大会に参加も「一匹狼のような印象」

青木容疑者は中学校の卒業文集で「自分の趣味」として「野鳥」を挙げています。
(青木容疑者の卒業文集から)「自分は幼い時分より飛ぶものに非常に興味があった。故に、幼稚園の年中の頃より、様々な戦争映画や洋画ばかりビデオを借りてきて見ていた。小学校の高学年の頃から野鳥に興味を引かれるようになった」
(佐々木一真アナウンサー)「青木容疑者はおよそ3年前、銃の免許の更新に必要な講習をこちらの射撃場で受けていたことがわかりました」
射撃場を運営する地元猟友会の橋本和幸会長。
(上小猟友会 橋本和幸会長)「令和2年の5月に、こちらの射撃場で技能講習という形で受けております」
Q. 技能講習は何を行う?
「銃の取り扱いを含めて銃をばらして組んで、射撃を実際にやって、そのクレーが何当たったかという点数をつけて、ここで合否の判定をする」
猟銃を所持するには、原則として3年に一度、技能講習を受けなければならず、青木容疑者は2020年、ここを訪れたといいます。しかし、講習を受けたという記録があるだけで、橋本会長や射撃場のスタッフらも青木容疑者の記憶はないといいます。
(橋本和幸会長)「頻繁に来ていたことはない。射撃場長も知らない。私も知らない。私も結構射撃に来ますけど」
この日、射撃場では地域の大会が行われていました。
(橋本和幸会長)「皆さん、改めておはようございます。皆さん、報道でもご存じの通り、長野でえらい事件が起きまして、色々大変な時期になってしまったので、皆さん、銃の取り扱い、それから安全に関しては、きょう1日、絶対事故のないように」
橋本会長や猟友会の人々は、銃の取り扱い方を熟知して安全に害獣駆除などを行うため、定期的に研修を兼ねた大会を開いています。
(大会参加者)「同じ銃砲所持者として大変なことをやってくれたなというのが、皆同じ感想だと思いますよ。こういう機会に私たちも初心に返って気を引き締めてまた一からやっていきたい」

一方、別の射撃場でも…
(佐々木一真アナウンサー)「青木容疑者は8年ほど前、こちらの射撃場で行われていたクレー射撃の大会に参加していたといいます」
大会で青木容疑者と会ったという地元の猟友会関係者は「良いスコアだったという記憶はない」「特にあいさつもなかったし、一匹狼のような印象を受けた」といいます。
さらに4年ほど前に会った際にはこんなやりとりが…
(猟友会関係者)「(青木容疑者に)『有害な鳥獣駆除に協力してほしい』と言ったら、『こっちは農業で忙しいんだからそんなことしていられない』と言うからカチンときちゃってさ。こいつは変わっているな、もう誘わない方がいいなと思ったよ」

50年のクレー射撃歴がある西隆男さん。
Q. それは何ですか?
(西隆男さん)「これ散弾」
Q. 弾が何個くらい入っている?
「280くらい。かなり小さい粒だからね」
1発の銃弾の中に、小さい粒がたくさん詰まっています。
犯行に使われたのが散弾銃かは不明ですが、地元の銃砲店によれば、青木容疑者は7〜8年前に散弾銃を20万円ほどで購入。4年前には、キジバトなどの鳥やリスなどの狩猟に使われるという散弾銃の弾も購入しています。

クレー射撃を行っていた記録はあるものの練習場に頻繁に通っていた様子もなく、害獣駆除など猟友会の活動にも参加していなかったという青木容疑者。
(青木容疑者の供述)「射殺されると思ったので駆けつけた警察官も殺した」
捜査関係者によると、青木容疑者は自宅に立てこもった際、説得の電話をかけた両親に対し、「自分がいつも一人でいることを女性がののしっていると思い殺した」などと話していたということです。
数年前から飼い始め、かわいがっていたという犬と別れ、警察に投降した青木容疑者。警察は、凶器を用意して計画的に犯行に及んだとみて捜査を進めています。


5月28日『サンデーステーション』より

こちらも読まれています