多摩650人の半数からリスク高い数値上回るPFAS検出 専門家「長い問題になる」[2023/06/08 21:18]

 東京・多摩地域の650人に行った血液検査で、半数以上から健康被害のリスクが高いとされる数値を上回る有機フッ素化合物=PFASが検出されたことが分かりました。

 京都大学・原田准教授:「やはりこれは比較したうえでも高いものだと言えると思います。地下水の汚染というのが北多摩あたりに広がっていっていると」

 有機フッ素化合物=PFASは、高濃度だと人体に有害な可能性があるとされています。

 多摩地域で水道水に利用していた井戸水からPFASが検出された問題で、8日、多摩地域の650人を対象とした血液検査の結果が公表されました。

 調査は去年11月から今年3月まで15の診療施設で行われ、650人の内訳は男性215人、女性435人、平均年齢は66.8歳でした。

 検査の結果、ほぼすべての人からPFASが検出されたということです。

 アメリカでは、PFASの一種=PFOS・PFOAなどの合計値が1ミリリットルあたり20ナノグラムを超えた人に対し、健康被害のリスクが高いとして特別の注意を払うよう勧められていますが、今回650人の半数以上にあたる335人がこの20ナノグラムを超えました。

 最も高かったのは、国分寺市の住民から検出された124.5ナノグラムでした。

 調査結果をまとめた京都大学の原田浩二准教授は、PFASが検出された井戸水の採取を東京都が止めているなかでこれだけの数値が検出されたことから、「長い問題になる」との認識を示しました。

 そのうえで、より幅広く地下水や住民の調査を行うことが必要だとしました。

 また、浄水器を使っている人のPFASの値が下がる傾向にあることから、個人でできる対策として、浄水器の利用などを上げました。

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