水道管の“老朽化”進む中 AIが漏水確率を診断[2023/06/17 12:13]

 全国で老朽化による水道管の破損事故が相次いでいます。水道管の更新が進まないなか、最新のAI(人工知能)技術を活用する取り組みが自治体で広がりを見せています。

 住宅街にあふれる茶色く濁った水。今、水道管の破損などによって年間2万件を超す漏水の被害が起きています。

 背景にあるのが“老朽化”です。

 法律で定められた耐用年数40年を超えた水道管が全体のおよそ2割を占め、その割合は年々上昇しています。

 しかし、担い手不足や工事費用などの問題で水道管の更新が進まず、このままでは150年以上かかると試算されています。

 フラクタジャパン・営業統括マネージャー、前方大輔さん:「効果的な何か手法ないかなって迷われてるところなんかが、危機感を持って採用されてるんじゃないかと思います」

 そうしたなか、期待されているのが最新のAI技術です。

 水道管を掘り起こさなくても、AIで劣化の状況を予測し、漏水の確率を把握できると言います。

 水道管はAIの診断によって色分けされ、濃い赤色が最も漏水の確率が高い場所を示します。

 フラクタジャパン・営業統括マネージャー、前方大輔さん:「気温の情報や降水量、もろもろの劣化とか腐食に影響するだろうっていうデータを、地図上に何層にも重ねて管路の情報を重ねて、過去どういう環境下で漏水が起こったのか、傾向をAIに学習させる。似たような環境下であればこうなるんじゃないかという予測をAIがしていく」

 すでに40の自治体がこのAI診断を活用し始めています。

 愛知県豊田市はおととし、全国に先駆けて導入しました。

 豊田市上下水道局・水道維持課、國枝圭介副課長:「劣化予測の結果を反映させることによって、同じ年代でも劣化度の高いものから順番に更新を掛けていということが可能。効率的な更新ができていると考えております」

 実際に漏水が起きた水道管を、AI診断が「最も劣化度が高い」と正確に予測していたケースもあったといいます。

 豊田市上下水道局・水道維持課、國枝圭介副課長:「交換する頻度が多くなれば、費用が市民の方への水道料金についても影響してくる可能性もある。(AI診断などで)適切なタイミングで管の更新ができる計画を策定したい」

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