「運転手さんが後ろに飛んで…」乗客語る“その瞬間”高速バスとトラック衝突5人死亡[2023/06/18 23:30]

18日、北海道で高速バスとトラックが正面衝突し、5人の死亡が確認されました。バスの乗客が事故の瞬間の様子を語りました。

■乗客語る“事故の瞬間”「運転手が後ろに」

(坂詰怜記者)「トラックの前方部分は大きく壊れて原型をとどめていません。バスの運転手付近も大きく潰れています」
正午ごろ、北海道の八雲町野田生の国道5号で高速バスとトラックが衝突する事故があり、消防によると17人が搬送され、高速バスの運転手、トラックの運転手、乗客3人の、合わせて5人が死亡しました。バスの乗客が当時の状況を克明に語りました。
Q.当時の様子は?
(高速バスの乗客)「僕はちょうど、もうすぐ降りるつもりでいつでも降りれるようにと足元にあった荷物の整理をしていた最中に、感覚的にはめっちゃ強烈な急ブレーキを踏まれたのかなと感じだったが、ただその時に前の座席のちょうど持ち手の部分でここを打って、2.5センチ8針くらい縫った。『あ、これ事故ったんちゃうん』という感じの止まり方をして、車内も結構パニックになっていて、『運転手さんが後ろに飛んできてた』と言っていたので、
Q.運転手さんが飛んできてたというのは?
「僕は見ていないが、ちょっと前のほうに座っていた女の人が『運転手がさんが自分の足元まで来た』という話をしていた。」
Q.どこに座っていた?
「多分前のほうだと思う。多分3列目だと思う。そこから冷静な人が、『私が110番しますので誰か救急呼べますか』と分担してやって、引っ張り出せそうな人は引っ張り出してという感じでした。後ろにある脱出用の避難扉からみんな出て、歩ける人は出た感じです」

■「席がめり込んで」乗客語る“事故の瞬間”

バス会社によれば、このバスは午前7時50分札幌発函館行きの「高速はこだて号」で、事故当時、乗客15人、運転手1人の合わせて16人が乗っていました。亡くなった運転手は興膳孝幸さん、64歳。乗務歴が15年ありこれまでに重大事故を起こしたことはないといいます。
(北都交通事業部長)「当社は『無事故表彰』というものを実施しているが、それにも必ず載るような非常に信頼のおける乗務員でした。乗務前もしっかり休息をとって、(きのうは)休日だったきょうが2日ぶりの出勤で、その点(健康状態)に関して全く問題ない」

バスとぶつかったトラックの方も…天井が2つに割れていて衝撃の大きさが分かります。
(長村英俊カメラマン)「衝突の衝撃で、豚が何頭か倒れているのが確認できます」
トラックの荷台にはブタが積まれていて事故により複数のブタが道路に投げ出されました。事故現場を詳しく見ていきます。札幌方面から函館方面に向けて走行していたバス側の目線です。追い越し禁止の片側一車線道路。見通しの良い直線が続きます。道路わきには『スピードおとせ』の看板も。こちらは空から見た現場の様子。画面手前が函館、画面奥が札幌です。トラックは函館方面からゆるやかな左カーブを進み…高速バスと衝突しました。

乗客の男性はバスの一番後ろの席に座っていたといいます。
(高速バスの乗客)「一番右側の席が完全にめり込んでいる」
Q.座席まで?
「座席、多分、そんなきっちり見てないが、相手の運転席がバスの中から見えているというか、合体している感じ」
Q.車内から相手の運転席が見えてしまう?
「そうですね。ハンドルが見えていたと思います。さすがに突っ込まれているというのが分かった感じ」
Q.相当なスピードだったのか?
「バス自体はめっちゃ丁寧な運転だったので、道中といったらいいんですかね、札幌からここ来るまでの間、ガクガクすることもないし、それこそ寝てしまっていた人も結構多い。すごい丁寧な運転をされていた方なので」
地元の人によればこの場所は「事故が多い」のだといいます。
(事故現場近くの住人)「去年、信号機、倒されて。それからまもなくまたうちの方に乗用車が突っ込んだ。これほど大きい事故はそうそう起きないが。結構事故は多い所です」
Q.飛ばす人が多い?
「やはり直線、この辺カーブにはなっているが、直線的に長いからかね」
警察は事故の原因を調べています。

6月18日『サンデーステーション』より

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