神戸6歳児死亡 「散乱した荷物と車いす…」押し入れ“監禁”逃げ出した祖母の発見時[2023/06/25 23:30]

神戸市で男の子の遺体が見つかり母親ら4人が祖母への監禁などの疑いで逮捕された事件です。
逃げ出した祖母を発見した男性が、当時の状況を語りました。

■「思いつめた雰囲気」逃げ出した祖母発見時は

(佐々木一真アナウンサー)「今また多くの鑑識官が現場の中へと入っていきます。容疑者の自宅ではきょうも現場検証が続いています。そして亡くなった修くんに向けて現場には多くのお菓子やジュースが手向けられています」
神戸市の草むらで6歳の修くんの遺体が見つかり、母親の穂坂沙喜容疑者と弟の大地容疑者ら兄弟4人が、自宅に57歳の祖母を監禁し、暴行を加えけがをさせた疑いで逮捕された事件。
(佐々木一真アナウンサー)「警察によりますと57歳の祖母は今年3月から今月20日まで、自宅1階の押し入れに監禁され、外からは鍵がかけられていました。ただ食事やトイレには行くことができたと見られています」
(佐々木一真アナウンサー)「祖母は4人がいない間に逃げ、20日夜、自宅からおよそ7キロ離れたこのあたりの路上で保護されました。車いすに乗りぼーっと佇んでいる様子だったということです」
(祖母を発見した人)「散乱した荷物と車いすのおばあちゃんがいたので、ちょっと様子おかしいなと思って『おばあちゃん、どうしたん?』と声かけた。うつむいていたり、どうしようかなっていう、寂しい雰囲気が出てまして、思いつめたというか、そんな雰囲気。左目がくまになっていてボクシングでボクサーがバーンて目が紫色になる感じ。全体が丸く黒く見えた」
保護されたとき祖母は、左目の辺りが腫れていて、背中にも打撲痕が複数個所あったといいます。

■“祖母に暴行”同じ日に死亡か6歳男児

そして、2日後の22日、自宅近くの草むらで、穂坂沙喜容疑者の6歳の長男・修くんの遺体がスーツケースの中から見つかりました。自宅付近の防犯カメラには、祖母が保護された前日の19日の午後5時ごろ、容疑者らとみられる4人が映っており、1人はスーツケースを引いています。警察によりますと、母親の沙喜容疑者は「自宅から4人で修ちゃんの遺体をスーツケースで運んだ」と話しているといいます。司法解剖の結果、死因は外傷性ショックとみられ、捜査関係者によると、修くんの体には、監禁されていたとみられる祖母とよく似たアザがあるとことが分かりました。修くんが死亡したのは、19日ごろとみられ、容疑者とみられる4人がスーツケースを運んでいた19日と重なります。沙喜容疑者らが、祖母に暴行したとされる日も19日ごろで、これも同じ時期になります。一体、この家族に何が起きていたのでしょうか…

■変化は「あの男が来てから…」一家に何が

(佐々木一真アナウンサー)「この家族に変化が見られるようになったのは、去年の暮れ、次男の大地容疑者が一緒に暮らすようになってからだといいます」
一家は12年ほど前から、この集合住宅に暮らしていて、当初は祖母と双子の姉妹の3人でした。6年ほど前、沙喜容疑者が引っ越してきて、長男の修くんを出産。そして、去年の暮れに次男の大地容疑者が一緒に住むようになったといいます。大地容疑者とは、どんな人物なのか…
Q.大地容疑者の特徴は?
(近隣住民)「ワシは大将やという感じ。よく出歩くようになった4人で、息子(修くん)は見えなかった。(4人で)明石に行ったりゲームセンターに行ったりしてたんかな。命令口調やな何でも『俺の言うことを聞かれへんのか!』って、『はい聞きます』ってね…あの男が来てから右へならえってなっとったから」
Q.男の怒鳴り声が多かった?
「そうですね、響くんで」
Q.どんなことを怒鳴っていた?
「もう何言っているのか分からない」
大地容疑者の小学校時代を知る人は…
(大地容疑者を知る人)「他の子とはちょっと違うというか、ちょっと変わった感じ。姉から『飛び蹴りされたりとか暴力的な感じの子』というのは聞いてました。低学年ぐらいだとは思うんですけど、小学校の時」
大地容疑者が引っ越してきてから、修くんにも変化があったといいます。
(近隣住民)「あの男の子(大地容疑者)が来てからや、去年の暮れくらいから。保育所も行きよったのに保育所も行かんようになったしな」
さらに、こんなことも…
(近隣住民)「1カ月か2カ月前かな。窓から『おばちゃん、出られへんねん。』窓いつも閉まっているのが窓、開いてるねん。それで修くんが『おばちゃん、出られないのー』って『何で、修くん出ておいで、下カギ開けたら出られるよー』って。それで聞いたら外からカギをかけているから下に降りるということはできへんのね」

■「SOSだったのかな」一時保護の申し出めぐる謎

今年に入って、修くんの通う保育園から区役所に連絡があったといいます。
(神戸市こども家庭局丸山佳子副局長)「保育園から4月24日に子どものおしりと右肩に小さなアザがあると西区役所に連絡が入りました。西区役所はこれを受けて養育状況を確認するために家庭訪問を行いました。訪問時、子どもは不在でしたが、お母さんとおばあちゃんと面談。アザの理由を聞いたが心当たりがないと返事。5月1日に子どもと西区の職員が会えて、肩のあざを確認したところ消えている状況」
修くんの母親・沙喜容疑者は、行政に「育てにくいため一時保護してほしい」と申し出たといいますが、最終的には、区役所職員が家庭訪問した際に祖母が「家族でみる」という返事をし、修くんの保護は見送られました。
沙喜容疑者を知る女性は…
(沙喜容疑者の知人)「(修くんを)一時保護してほしいという報道があったが、(沙喜容疑者は)子どもに誰かが手を出すのをあれやから…子どものためにしたのかなと思いました。その時に弟さん(大地容疑者)はいたんでしょ既に。だからそれがSOSだったのかなと…」

6月25日『サンデーステーション』より

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