“日本最古”のバッティングセンター 58年の歴史に幕 刻まれた思い出[2023/06/27 18:37]

■58年の歴史に幕 刻まれた思い出

 数々の人生模様を見届けてきた都内のバッティングセンター。40年ぶりに来た男性など、駆け込み客に惜しまれながら3日後の30日、58年の歴史に幕を下ろします。

 豊島区の大塚駅前で1965年に創業。1階にパチンコ店、2階にバッティングセンターが入ったアミューズメント施設です。当時、プロ野球では王・長嶋のON砲の活躍により、巨人が日本一に輝いた黄金時代。野球ブームとともに、昭和レトロな雰囲気が残る施設は“日本最古のバッティングセンター”として愛され続けてきました。後継者不足などが原因で、今月末をもって閉店することに。

 客(32):「(閉店は)一番ショックなニュース。もう20年以上前。小学生のころから通い続けている」

 20年来通い続けた32歳の男性。少年時代の思い出が鮮明によみがえります。

 20年通う32歳:「友達と打ちに来たりとか、初めて父親に連れて来られた時の思い出とか思い出の詰まっている場所なので、なくなるのは寂しい」

 この施設で10年近く子どもたちにバッティングを指導してきた教室も。

 バッティング教室のコーチ:「貴重な練習できる場所だったが、今回残念な形で…」

 中学2年の生徒。小学3年から野球を始め、5年生から教室に通い、中学生になった今も度々、足を運んでいました。

 中学2年生:「試合で打てるようになってお世話になった」

■打席で深まった家族 「58年の絆」

 時には家族の絆が深まることも。小学4年生の息子を1年前から連れてきている母親はいつしか自分自身も夢中に。

 母親:「子どもと一緒に同じことができて幸せ。夫も高校時代に通っていたそうなので、親子そろってお世話になったので、閉まってしまうのが悲しい。たくさんの思い出をありがとうございました」

 85キロの球を見事に打ち返すのは小学2年生の女の子。父親は子ども3人の成長をこの場所で見守ってきました。

 父親:「バッティングセンターデビューを息子も娘もここでした」

 数年前までは怖がって打席に立てなかった娘も、今ではたくましく成長しています。

 父親:「初めて打席に立つ経験もこのバッティングセンター。バットにボールが当たるようになったのも初めてだったので思い出の場所」

こちらも読まれています