“切断遺体”は会社員男性(62)刺し傷が致命傷 抵抗の痕なし[2023/07/05 19:36]

 札幌すすきののホテルで頭部のない男性の遺体が見つかった事件で、男性には抵抗したような痕がなかったことが新たに分かりました。法医学者は犯行時間の短さについて「一般の人では難しいと思う」と分析しています。

■“切断遺体”は会社員男性(62)

 全容は徐々に明らかになるのでしょうか。2日、札幌市中央区のホテルで首を切断された状態で見つかった遺体は北海道恵庭市の会社員・浦仁志さん(62)と明らかになりました。

 元同僚:「浦君(被害者)とはあまり話したことがない。普通の人間。上の人にもそういう口答えはしない『はいはい』とやっていた。まさかこんなことになると思わなくて」

■家族に告げず 自宅から車移動

 恵庭市にある浦さんの自宅から、札幌の中心街までは直線距離でおよそ30キロ。捜査関係者によると1日、浦さんは自宅から札幌まで車で移動し、午後11時前、ホテル前で待ち合わせていた女性っぽい服装の人物と2人で入室したということです。浦さんは外出する際に家族に行く先を告げていませんでした。移動に使用した車は発見されましたが、財布や携帯電話などは車内から見つかっていません。

■刺し傷が致命傷 抵抗の痕なし
 
 そして翌日、2日午後3時、ホテルの浴室で発見された浦さんの遺体。新たに分かったこととして、致命傷は首以外の刺し傷で、頭部の切断は死亡後に行われたとみられています。また身体には抵抗した際にできる傷もなかったということです。

■“別の人物”周辺の防犯カメラに

 警察が行方を追っている浦さんとともにホテルに入った人物…。周囲の防犯カメラの映像によると、この人物は入店した時は白い服装でしたが、およそ3時間後、1人で出てきた時は黒い服に着替えていて、スーツケースを引きずりながらリュックを背負っているのか“着ぶくれ”しているように見えたそうです。いったん、南側に向かいますが、その後折り返して西側に向かったとみられています。ホテルに入って出るまでおよそ3時間。この短時間で今回の犯行は可能なのでしょうか。法医学者の佐藤喜宣名誉教授はこう分析します。

■犯人像は? 専門家「強い恨み」

 杏林大学 医学部 佐藤喜宣名誉教授:「一般の人は難しいと思う。やはりある程度、解剖学的な特徴が分かって知っている人、あるいは携わった人の可能性が高い」

 さらに困難なこともあります。

 杏林大学 医学部 佐藤喜宣名誉教授:「嫌悪感が強いので、遺体の体と首を切り離すこと自体が嫌悪感を超えている。(犯人は)計画性があってしかも相当な恨みがある人物」

 警察は周囲の防犯カメラの映像分析を中心に捜査を進めています。

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