社会

2023年7月21日 01:49

【北極ノート】黒く汚れた氷河 表面には無数の穴が

【北極ノート】黒く汚れた氷河 表面には無数の穴が
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カナックの村から2時間ほど歩いた場所にある「カナック氷河」
氷河に到着すると目の前には真っ白な氷の大地が広がりますが、
よく見ると…所々黒く汚れています。
氷河の上を歩くと、足元には無数の小さな穴も開いていました。

この黒い汚れと穴は何なのでしょうか?
それは「クリオコナイト」と呼ばれています。
「クリオコナイト」とは、雪氷微生物という冷たいところで生息する微生物と
細かい鉱物が集まってできた粒子のことです。
氷河が黒く汚れているのは、雪氷微生物が周辺から飛んでくる
小さな鉱物をくっつけながら粒を作り、
氷河の上に滞積することが原因と考えられています。
また、「クリオコナイト」は微生物の分解によって作られる腐食物質や鉱物の色で
黒っぽい色をしています。そのため氷河の上で増えると太陽光の吸収が高まり、
氷河の融解を促進することが明らかになっています。

いままで、アジアなどの暖かい場所の氷河で微生物はよくみられていましたが、
ここ10〜20年で、北極の寒い地域でも微生物がいることがわかってきました。
特に北極、グリーンランドの温暖化により
微生物の活動範囲が広がっているのではと言われています。

「クリオコナイト」によってできた穴は「クリオコナイトホール」と呼ばれていて、
カナック氷河に出来ている穴の深さは10センチ〜20センチほど、
雪が解けて氷が出てくる6月下旬ぐらいから穴が開き始めるそうです。

微生物は液体の水がないと生きていけません。
氷の表面が溶けていることが生息の条件になります。
温暖化によって溶ける期間が長くなったり、溶ける範囲が広くなったりすると、
黒い範囲も広がっていくということです。
2000年〜2012年にかけてはグリーンランド全体で毎年にかけて温度が上がっていて、
2000年と2012年を比べると黒く汚れた部分は約7.5倍に拡大しています。

テレビ朝日報道局 松本拓也 屋比久就平

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