札幌“切断遺体” 親子3人「いびつな家族関係」 娘と医師の父に加え…母も逮捕[2023/07/25 18:46]

 札幌・すすきののホテルで起きた殺人事件で、29歳の女と医師の父親に加え、新たに母親も25日に逮捕されました。親子3人が逮捕される事態に犯罪心理学者は「いびつな家族関係が想像できる」と指摘しています。

■娘と医師の父に加え…母も逮捕

 25日に逮捕されたのは田村瑠奈容疑者の母、そして修容疑者(59)の妻でもある田村浩子容疑者(60)です。24日、逮捕された夫で医師である修容疑者。そして娘の瑠奈容疑者。2人の容疑と同じく死体損壊などです。これで一家全員が逮捕となりました。

■自宅から男性頭部 一家の素顔は

 徐々に一家の素顔が見えてきました。

 近隣住民:「うちに来て庭を見た時は夫も一緒に来て会話をしていても、すごく仲むつまじくしていた」

 夫・修容疑者のSNSには妻のサインが記された絵がアップされています。近所の人は昆虫、そして植物を愛する妻を見ていました。

 近隣住民:「虫が好きなので本当によく育てていて。ゲンゴロウも育て池に放して『元気に泳いでいきました』と…」

 その一方で、頭部のない遺体が見つかったのが今月初め。そのころから様子が変わったと話します。

 近隣住民:「その(事件)前とは全然違った。閉ざされたというか。インターホンを鳴らしてもあまり出てこない」

 地元の病院で精神科の科長を務めていた修容疑者。地元で講演を行うなど、精力的に活動しています。「若者の過労自殺の背景と課題を考える」と題されたパネルディスカッションにも参加していました。

 講演イベントでの田村修容疑者:「少しでも生きやすい社会づくりをしていくことが結果としてそのような社会に近付いていくんではないか。私も職業人なので職場に勤めております、地域の住民でもあります。企業・自治体、私たちに何ができそうかどうか、一緒に考えてもらいたいと思う。ご清聴ありがとうございました」

■修容疑者の父「帰省でギターを」

 午後、修容疑者の父が取材に答えました。

 修容疑者の父:「独身の頃は必ずお正月に戻ってきてギターを弾いたりしていた」

■自宅から62歳男性頭部を発見

 逮捕者が出ても謎が深まる事件。分かったこともあります。札幌の繁華街・すすきので見つかった頭部のない遺体。見つかった頭部は恵庭市に住む会社員(62)のものと分かりました。警察は、頭部が自宅にあったことを浩子容疑者も認識していたとみて捜査しています。ただ、計画のどの段階から関与していたかは分かっていません。

■親子3人「いびつな家族関係」

 札幌市内の小売店で、事前にスーツケースと刃物のようなものを購入していたとみられる父と娘の瑠奈容疑者。一見、どこにでもいそうな一家3人。どのような状況が頭部切断という犯罪に結び付くのでしょうか。

 犯罪心理学者 東京未来大学教授 出口保行氏:「犯罪を前に進める形で加担していることを考えると、いびつな家族関係と想像するには難くない。過保護であったり過度な愛情を注ぐことがあったと想像できる」

 頭部を家に置くという状況は2つのケースが考えられると話します。

 犯罪心理学者 東京未来大学教授 出口保行氏:「なるべく早く自分から離したい、遺棄したいと思うのが普通。遺棄できなかったのがメインだろうとは思うけど、それ以外に何らかの思いがあった場合も考えられる」「(Q.執着を持っていた可能性も考えられる?)そうですね」

 警察は3人の認否を明らかにしていません。

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