【混乱】隅田川花火に過去最多103万人殺到!破壊行為、柵越え、救急搬送も[2023/07/29 23:30]

29日、4年ぶりに開催された「隅田川花火大会」。過去最多の103万人が訪れました。これは秋田県や香川県の人口を上回る数です。
花火会場最寄りの「浅草駅」の構内は、人でごった返し、出口を出られない状態になっていました。

打ち上げ開始の2時間半前。地上では…

(菅野富美リポート)
「午後5時の浅草駅前なのですが、すでに多くの人で歩くのが困難ですね。なかなか前に進まない状況です」

俯瞰で見るとこの大混雑。
(仁科健吾リポート)
「歩道が人でごった返しています。全く動けていません。警察官が誘導していますが、ほとんど前へ進みません」

日本全国のみならず世界から観覧客が駆けつけました。

■熾烈な“場所取り”争い

打ち上げ開始1時間前。歩道にはレジャーシートを持った大勢の人が何かを待っています。

(仁科健吾リポート)
「あ、え、いま一斉に場所取りに向かいました!警察官が合図は出してないのですが、観客の方は一斉に場所取りに向かいました。警察官が一度戻しています」

午後6時、交通規制がかかるのに合わせ、車道に場所取りをしようと観覧客が殺到。“フライング”した観覧客が戻される様子も。そして…

(仁科健吾リポート)
「警察官の合図とともに皆さん一斉に走って場所取り。一気に道路が埋め尽くされました。試し打ちの花火とともに一斉に埋まりました」

予定より、15分ほど遅れて、車の通行が規制されました。非常用通路にあふれた人も。
このころ、浅草駅前も人でごった返していました。コンビニは入場規制です。

(仁科健吾リポート)
「この行列なんですけどずっと奥のほうまで続いてまして、100メートル以上並んでいます」

■交通規制守らず「破壊行為」も

4年ぶりの開催とあって警備も厳戒態勢。
過去には、兵庫県明石市の花火大会での雑踏事故や、去年、150人以上が亡くなった、ソウル・梨泰院の事故もありました。
会場には“DJポリス”も出動。外国人観光客が多い浅草が最寄りのため、電光掲示板には英語の呼びかけも。

人件費高騰や物価高の影響で、大会運営費は4年前の1.5倍に膨れ上がっています。
都心の真ん中でひらかれる隅田川花火大会。大混雑は必至のため、“歩きながら花火を見ること”が推奨されていて、一方通行の道が多く設定されています。

ところが、交通規制を無視して、続々と柵を飛び越えていく人の姿が。手前のフェンスを壊し、流れ込む人もいました。
(群衆)
「いけいけ!いけいけいけ!突破しろ!突破しろ!」
(警察官)
「止まってください!押さないでください!」

■「浅草寺に行きたいのに…」交通規制に翻弄

交通規制に翻弄される人も。
(警察官)
「人が多すぎて通れません、浅草寺に向かう方は駒形橋へ迂回をお願いします」
(浅草寺に行きたい人)
「雷門 どう行く?教えてください…遠回りしないとたどり着けないんだ」

雷門に行くための、目の前の横断歩道が通行止めになり、ぐるっと迂回しなければいけない状態に。

■帰宅ラッシュ「浅草駅に入れない」

そして花火大会終了後。
(仁科健吾リポート)
「浅草駅前ですが駅から人が溢れています。帰宅する人が駅に入れません」
帰宅ラッシュは危険を感じるほど大混雑になっていました。

さらに、こんな問題も…。
(庄賀由花リポート)
「道の真ん中にはペットボトルなど大量のごみが捨てられています」
道路にはレジャーシートや空き缶など大量のごみが放置されていました。

■「災害級の暑さ」救急搬送も

そして、観覧客を苦しめたのが「災害級の暑さ」です。

(仁科健吾リポート)
「今救急車が到着して女性が一人横になっています。なにがあったんでしょうか」
(島田直樹リポート)
「うずくまっている人がいます。体調壊したんでしょうか」

花火開始後も、物々しい雰囲気になっていました。
(庄賀由花リポート)
「救急車が一台、花火会場を出ていきます」

■専門家警鐘「人熱れ」とは?

花火大会での熱中症リスクについて、専門家は警鐘を鳴らします。

(横浜鶴見リハビリテーション病院 吉田勝明院長)
「人が集まって、一般的には『人熱れ(ひといきれ)』状態に。熱中症のリスクとしては3倍、4倍、5倍」

「人熱れ」とは、人が密集することで、体から発する熱などにより周辺の温度が上昇することです。

(横浜鶴見リハビリテーション病院 吉田勝明院長)
「皮膚表面からの過熱に加えて吐く息、人混みによる風通しの悪さというのはやはり温度・湿度を上昇させてしまう」

人の表面温度は32〜33℃というかなりの熱源になることに加え、呼気や、密集による風通しの悪化などにより、周辺の温度は40度近くになることもあるといいます。さらに、混雑のため飲み物を買いに出ずらいことや、トイレの行列を避けるため、水分補給を控えてしまうなど水分不足になりやすいといいます。

(横浜鶴見リハビリテーション病院 吉田勝明院長)
「うちわで扇ぐのもかなりの効果がある。扇ぐことによって2、3度下がってくれるかなという風には思います。体が熱い、あるいはめまい、ふらつき、気持ち悪い、そういった症状があったら早めに安全な場所へ避難してほしい」

サタデーステーション 7月29日OA

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