夏の不調の原因「胃バテ」に要注意 対処法は…寝ながら改善&深呼吸でケア[2023/08/04 19:40]

各地で記録的な猛暑となっているこの夏、特に注意したいのが、胃の不調「胃バテ」です。

■夏の不調の原因「胃バテ」に要注意

胃の不調を感じやすい時期を聞きました。最も多いのが、8月です。そして、夏の不調『夏バテ』を訴える人の約6割が食欲不振、約4割が胃もたれという症状です。今年は、例年よりも早く暑くなっている分、胃バテの症状を訴える人が多いそうです。

▼30代男性「暑くなってきて、食欲が落ちた。そうめんや冷やし中華など冷たい物ばかり食べている。パワーがなく頭も回らない」 
▼20代女性「最近、胃や腸の調子が悪い。朝から全然食べられなくて、ゼリーばっかり食べているせいか、一日中頭がぼんやりしている感じ」
▼30代女性「夏バテなので、食べなきゃって、無理して胃に入れている。シリアル系が多く、ラーメンとか食べたいけど胃がもたれる」

冷たい物のとりすぎに注意です。胃の中の温度は、37℃前後です。冷たいものをとりすぎると、胃の活動が低下し、胃酸量が減ったり、消化酵素の働きが低下したりします。

■胃バテの原因は?

川西市立総合医療センター総長の三輪洋人さんに聞きました。「夏の『胃バテ』の原因は、冷たい飲食物のとりすぎや、暑さによる自律神経の乱れで、胃に負担をかけていること」夏に多い、自律神経の乱れの要因です。

●冷たい飲み物や食べ物をとりすぎる
●エアコンのきいた部屋に長くいる
●暑くて寝苦しく、睡眠不足
●高温多湿によるストレス

■胃はおしゃべりな臓器

自律神経と胃の関係について、自律神経が乱れると、胃の運動が低下して、消化不良や胃もたれなどを起こします。また、胃酸の分泌が増えます。過剰な胃酸には注意が必要です。

胃酸の量が多すぎると、逆流性食道炎のリスクが高まります。胃酸が食道に逆流しやすくなり、胸やけ、げっぷ、胃痛、声がれ、酸っぱいものが込み上げてくるなどの症状が出ます。胃は、別名「おしゃべりな臓器」と言われています。胃の不快な症状は、

●食習慣の乱れ
●睡眠の質
●ストレスの有無など、

心とからだの健康状態を教えてくれます。「放置していると危険」というサインです。三輪さんは、「胃は、歳を取らない。胃そのものは加齢に影響受けず、老化しない。胃の不調や疲れは、自律神経の不調が大きな原因」だと話します。

■胃バテを解消する夏の食習慣の改善法

胃バテを解消する、夏の食習慣の改善方法です。

●冷たい物、脂っぽい物を控える。
●夏野菜、きゅうり、なすのあっさりした浅漬けなどをとる。
●よく噛んで食べる。早食いはダメ。
●食後30分は横にならない。

■「胃バテ」対処法…寝ながら改善&深呼吸でケア

寝る時の胃バテの対処法です。流性食道炎の場合は、胃の形を考えて左側を下にして寝ると逆流を防止します。逆流がない胃もたれの場合は、胃の出口が下になる右側を下にして寝ると、消化を促進させます。逆流性食道炎も消化不良もある場合は、上向きで寝ます。枕の高さは約15°、高さにして10〜20センチが理想ということです。うつ伏せで寝るのはNGです。

■深呼吸で胃のケアを

胃バテの対処法、深呼吸で胃のケアです。鼻から息を吸い、胸を膨らませると横隔膜が下がります。そして、息を吐くとき胸が縮み、横隔膜が上がります。これを自分のペースで数回繰り返すと、横隔膜の上下運動で胃の不快感が和らぎます。

■新常識 胃が感情を左右!?「胃脳相関」

胃と脳の関係です。

▼30代女性「仕事で、100人くらいの前で話さないといけない時に、胃がきゅーっとしてきたり、食欲がなくなったりした」
▼30代女性「子育てや仕事でイライラしていると、胃がムカムカしてくる」
▼20代女性「甘いものが好きなので、甘いものをいっぱい食べると幸せな気持ちになる!」

胃と脳は密接に関係しています。「胃脳相関」という言葉があります。悩みがあると胃が痛くなり、おいしいものを食べると快感を得るというように、胃と脳は「自律神経」でつながっていて、胃の活動と脳の機能は互いに影響しあっています。例えば、おなかが空くと、胃から食欲ホルモン「グレリン」が分泌されて脳に伝達され、「おなかが空いたな」と感じます。

三輪さんによると、「満腹になると、食欲ホルモン『グレリン』の分泌が減少し、空腹を感じなくなる」ということです。いわゆる“別腹”も、胃と脳の関係です。満腹になった後でも、おいしいものを見ると、脳から食欲ホルモン「オレキシン」が分泌され、胃の筋肉がゆるんで、胃にスペースができます。これが、“別腹”です。

■あなたの”夏の胃”は大丈夫?三輪先生が診断

“夏の胃”について、街の人が気になっていることを、三輪さんに聞きました。

▼30代女性「コーヒーが好きなので、夏はアイスコーヒーにして1〜2杯飲む」

これはOKです。カフェインは胃酸の分泌を促進し消化を助けます。ただし、空腹時に飲みすぎると胃があれる可能性も。冷たいので胃を冷やすことにも注意です。

▼20代男性「暑いと辛いものが食べたくなる」

これはOKです。辛いものは胃の血流を良くします。ただし、急激にたくさんとると、胃の粘膜が傷つきやすくなるので注意です。

▼30代女性「冷たいものを食べるとき、胃に負担にならないような食べ方、飲み方を知りたい」

三輪さんおすすめの、冷たいものの食べ方です。

(1)ゆっくり少しずつ食べる。
(2)冷たいものばかりでなく、温かいものも食べる。
(3)服装に気を付けて、おなかを冷やさない。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」より)

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