今も500人近くが…“無国籍”フィリピン残留日本人への不法滞在の罰金が事実上免除に[2023/08/16 17:45]

 太平洋戦争後も無国籍状態でフィリピン国内で暮らす残留日本人が約500人います。こうした無国籍状態の残留日本人が日本国籍を回復した際、フィリピンに不法滞在していたとして罰金が科される問題でフィリピン法務省は事実上、免除することを決めました。

 在フィリピン日本国大使館は14日、日本国籍を回復した残留日本人がフィリピンを出国する際に科される罰金などが今後、事実上、免除されると発表しました。

 これまでは日本国籍を回復することで、それまでフィリピンで過ごした期間が不法滞在として扱われ、高額の罰金が科される可能性がありました。

 今回の決定により、日本の親戚などに会うためにフィリピンを出国する際の金銭的な障壁が解消されます。

 戦前の国籍法では日本とフィリピンともに「父系主義」を採用し、父親が日本人の場合は子どもも日本国籍になりました。

 しかし、戦後は国交がない時期があったことや父親が戦死したり、強制送還されたりするなどして手続きができず、“無国籍状態”として残留した日本人2世が多くいました。

 国籍回復をサポートするNPO法人によりますと、今年3月末時点で、無国籍状態でフィリピン国内で暮らす残留日本人は493人いるということです。

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