阪神Vでダイブの“道頓堀ニキ”直撃 “奇跡の一枚”話題も「悪いこと…」 撮影者は[2023/09/19 11:11]

 阪神タイガースが18年ぶりのリーグ優勝を決めた先週末。一枚の写真に注目が集まりました。写真に写っている男性は、インターネット上で“道頓堀ニキ”とも呼ばれています。番組の取材に対し語ったのは、反省の言葉でした。

■「飛びます!」“奇跡の一枚”は世界中に拡散

 道頓堀の中心で阪神のセ・リーグ優勝を喜ぶこちらの男性。50分後、男性は宙を舞いました。

 男性:「飛びます!こっちからも飛ぼうか!」

 過去には死者も出ていることなどから、市や警察がやめるよう呼び掛けてきた「道頓堀ダイブ」。

 男性が飛び込む一部始終は、何台ものカメラによって、撮影されていました。そのなかに、こんな写真がありました。

 万歳のポーズに満面の笑み。まるで、スポットライトを当てられているかのように、光が差し込んでいます。

 道頓堀川に飛び込む男性と、見守る群衆を巧みに捉えたこの写真はSNSを中心に大きな反響を呼んでいます。

 X(旧ツイッター)から:「この日のために練習したのか?と疑いたくなるほどフォームが美しい!」「奇跡の1枚!」

 ネット上で名づけられた男性の呼び名は“道頓堀ニキ”。“ニキ”とは、ネット上でアニキの省略語。「道頓堀アニキ」という意味です。

 1700万人以上のフォロワーを抱えるアメリカメディアも取り上げ、写真は世界中に拡散されました。

■道頓堀ニキ「悪いことを…」「もうやらない」

 番組は、この男性と接触。18日午後7時、待ち合わせ場所である道頓堀の橋の上に行くと、写真と同じ上着を着て、笑顔ではにかむ男性。川に飛び込んだ現場を背に、思いの丈を語ってくれました。
 
 道頓堀ニキさん(27):「テレビ朝日さんですか?」「(Q.道頓堀ニキさん?)そうです、そう呼ばれています」

 道頓堀ニキさん:「(Q.阪神ファンですか?)阪神ファンです。小学生の時からもう20年近く」

 男性は大阪出身の27歳。生粋の阪神ファンだといいます。なぜ道頓堀ダイブを行ったのか、理由を聞くとこのように話していました。

 道頓堀ニキさん:「警察もたくさん動員された中で、この中で飛ぶのかって思ったけど、想いが勝ってしまって、ついつい飛んじゃいました。『優勝したからって飛び込むな』と言う人もいますし、それはその通りなんですよ。ダメなことなんです」「(Q.飛ぶことはよくないことと分かっていた?)やっちゃダメと言われているので悪いことをしたなって思っています」

 男性によりますと、飛ぶのは良くない行為だと分かっていましたが、優勝に対する喜びが勝ってしまい、ついダイブしてしまったといいます。

 では、もし阪神が日本シリーズを制覇した場合は、どうするのでしょうか?

 道頓堀ニキさん:「もうやらない。少なからずバッシングがあった。同じ阪神ファンとして恥ずかしい。親には怒られました、何してくれてんねんと」

 反省の弁を口にし、もう二度とやらないと誓う男性。一方で、写真の反響の大きさには驚いているといいます。

 道頓堀ニキさん:「(Q.思っていた以上の反響?)以上、さらにその上。それも全部あの写真のおかげだと思う。写真を撮ったカメラマンさんすごい。本当に良いカメラマンさん」

■「偶然“撮れてしまった”」ボツ考えるも…

 番組は、奇跡の一枚を撮影したカメラマンにも話を聞くことができました。

 共同通信社・大阪支社の写真映像部に所属する松嵜未来カメラマンです。

 松嵜さん:「(Q.野球はどこが好き?)オリックス。ごめんなさい。野球がすごい好きで阪神ももちろん好きです」

 入社5年目の松嵜さん。コロナ禍で取材が制限されているなかで、大阪支社に赴任しました。

 松嵜さん:「これが大阪かとちょっと思いました。本当の大阪を見たという気がしました」

 優勝の歓喜の渦に包まれる道頓堀はまさに「カオス」。その状況を、道頓堀の戎橋を見下ろせる高所から見ていたといいます。

 この混乱した状況をどうやったら1枚の写真に表現できるか、構図を考えていた、その時…。

 松嵜さん:「そのときにパッと見えたので『あっ飛んだ』という感じで、シャッターを押したら撮れていたので、偶然写真のフレームの中に入っているという感じ。“撮れてしまった”ですかね」

 写真には、万歳ポーズで、はじけんばかりの笑顔を浮かべた男性が…。当初、警察や行政から規制されていた川に飛び込む写真は撮影しても、世の中に出さないつもりだったといいます。

 松嵜さん:「色々な意見もあると思うし、マスコミが助長しかねないとも思っている。個人をさらすみたいな感じになってしまうのかな」

 しかし、この写真を撮った直後、会社に提出することを決断しました。その理由は…。

 松嵜さん:「あまりにも良い顔だった。本当に幸せそうに飛び込んでいた。(会社に)送るつもりはなかったが撮れた写真を見た時は、もうその考えはなかった」

 その後、写真は「奇跡の一枚」として全世界に配信。大きな反響を呼ぶことに…。

 松嵜さん自身はその反響の大きさをカメラマン冥利(みょうり)に尽きると感じている一方で、道頓堀ダイブは決してやってほしくないと訴えます。

 松嵜さん:「危険な行為で(過去に)亡くなった方もいるので、本当にやめてほしいなとは思っています」

(「グッド!モーニング」2023年9月19日放送分より)

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