職場で感染後 新型コロナ後遺症の女性 傷病補償年金の支給が認められる 初の事例か[2023/09/22 21:45]

 新型コロナウイルスの感染後に症状が長引く後遺症を巡り、都内の女性(55)に「傷病補償年金」の支給が認定されました。

 東京・福生市の老人ホームで事務として働いていた女性は2021年1月、施設でクラスターが発生し、自身も新型コロナに感染しました。

 女性は症状が悪化し、救急搬送されました。

 CT(コンピューター断層撮影)検査で両肺が真っ白に映るほどの重度の肺炎を起こしていたということです。

 1カ月ほどで退院しましたが、2年半が経った今も後遺症に苦しんでいます。

 息苦しさなどから酸素吸入器が手放せない状態が続いています。

 女性はこれまで毎月、申請する休業補償給付を受けていましたが今年5月、療養を始めてから1年半が経過しても病気が治っていない場合に支給される傷病補償年金の対象と認められました。

 補償は生涯続きます。

 女性は安心して療養できることに対して「ほっとしている」と話しています。

 女性を支援してきたNPO法人東京労働安全衛生センターは「新型コロナ後遺症で傷病補償年金が支給されるのは初めての例だろう」としたうえで、「後遺症に苦しみ長期療養を余儀なくされる人は少なくなく、制度の周知と国の継続的な支援が必要だ」と訴えました。

 厚生労働省の研究班は、成人の感染者のうち11.7%から23.4%に後遺症があったとの調査結果を公表しています。

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