予報士のつぶやき 9月も記録的 極端な暑さが急増[2023/10/02 16:17]

気象庁は9月の天候まとめを発表しました。

今年は夏の暑さが過去1位となっただけでなく、9月にかけても記録的な暑さが続きました。

季節ごとの暑さの基準は平均気温で表されることが多く
例えば、今年の夏(6〜8月)の日本の平均気温偏差は+1.76℃で過去最高。

気象関係者が見ればとんでもなく高い数字ではあるのですが、一般的にはインパクトが弱いように思えませんか?

そこで、平均気温ではわからない、9月までの極端な暑さの記録をまとめました。

■猛暑日日数が過去最多

今年は47都道府県庁所在地のうち20地点で35℃以上の猛暑日が過去最も多くなりました。

東京の猛暑日は今年22日で過去最多。

これまでの記録は2022年の16日でした。

正直、去年の記録が出たとき、しばらくは破られないだろうと思っていました。

今年の猛暑には驚きです。

ちなみに、東京の年間の猛暑日の平年は5日程度。
平年の4倍くらいの猛暑日となっています。

多さだけでなく、今年は9月終盤にも静岡や甲府で35℃以上になり、関東甲信や東海では観測史上最も遅い猛暑日にもなりました。


■真夏日も過去最多

猛暑日だけでなく、30℃以上の真夏日も20を超える県庁所在地で過去最多となっています。

東京は9月末までで90日。

なんと1年のうち3カ月が真夏日。これまでの記録71日を大幅更新です。

10月に入りようやく秋の空気を感じられるようになってきましたが、夏が長くなり秋の到来が遅くなっていることは間違いありません。


■温暖化の影響

今年の猛暑の原因はエルニーニョ現象発生なのにこれまでのラニーニャ現象の影響も残るなど珍しい状態ではありました。

ただ、文部科学省や気象研究所は今年の猛暑について

「様々な偶然が重なったとしても、人為起源の地球温暖化による気温の底上げがなければ起こり得なかった」

と発表しています。

また、地球温暖化によって6月から7月上旬の日本全国の線状降水帯の総数が約 1.5 倍に増加していたという計算も出ています。

地球温暖化で平均気温が1℃上昇、2℃上昇という言葉には極端な暑さや豪雨が増加という意味が込められています。

テレビ朝日気象デスク 佐藤圭一

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