留守番は虐待? 条例案が波紋 子どもだけで公園や登下校はNG[2023/10/06 18:59]

 「子どもだけで公園で遊ばせる」これはダメ。「小学校1年生から3年生だけで登下校させる」これもダメ。「子どもだけを置いてごみ出しや回覧板で外出する」これも場合によってはダメ。こうした行為が置き去りにあたるとする条例改正案が提出され、波紋を広げています。

■子どもだけで公園や登下校はNG

 自民党県議団はどんな世界を目指しているのでしょうか。条例案は小学3年生以下の子どもを放置しない、それを保護者など成人の「養護者」に義務付けています。子どもを放置している場面を目撃した県民に対して通報することも義務付けています。

 自民党県議:「子どもたちの安全を確保していくとの思いで提案させていただいた」

 もし可決されたらどうなるのか。日常の場面に当てはめてみましょう。子どもだけで公園で遊ばせるのはダメ。子どもだけの登下校もダメ。子どもにお使いを頼むのもダメ。留守番もダメ。高校生の兄弟がいてもダメ。子どもを家に残してごみ出しや回覧板で外に出るのはこれも場合によってはダメ。「虐待」という扱いになります。

■自民県議「子ども放置は虐待」

 条例を提出している自民党県議団・団長です。

 自民党県議団 田村琢実団長:「(Q.留守番も虐待?)もちろんです。子どもが放置をされている状態を我々は『虐待』と定義をし、留守番ができるからといって小3以下の子どもを残して外出している状態がいかに危険か、そこの意識の認識を変えていただきたいというのが私どもの条例に対する思い」

 たしかに、子どもの安全は確保されるのかもしれません。しかし、実現可能性はあるのでしょうか。

■留守番は虐待?保護者は“困惑”

 埼玉県 伊藤県議:「ごみ出しにも行くなというなら誰がごみを出してくれるのか?」

 そもそも子どもは1人とは限りません。

 30代:「下の子もいるのでこっちが違う習い事をして重なったりとか」

 親が1人の場合もあります。

 30代:「ひとり親だと外行けないし、そんなのやられちゃうと何もさせられなくなっちゃう。勉強とか」

 大人は常に子どもの付き添い人になるということでしょうか。

 40代:「(子どもに)ついて行ったところでずっと親がついているということ?とてもじゃないけど厳しいですね、現実的に」
 30代:「実際に私たちが仕事に出たり、女性がそうやって活動をしているのを見ていないのかなと」

 働きながら子どもを養護する人の立場。田村団長はどう考えるのでしょうか。

■留守番は虐待?条例案が波紋

 子どもだけで公園で遊ばせてはいけない。子どもだけで留守番させるのもいけない。そんな条例案が埼玉県議会で審議されています。

 30代:「実際に私たちが仕事に出たり、女性がそうやって活動をしているのを見ていないのかなと」

 自民党県議団 田村琢実団長:「働く方々がいて、だからといって子どもが放置されていいとは私どもは思っていません。例えば学童保育の拡充とか社会全体で子育てができる環境作りが一番必要だと」

 条例案が可決されれば、来年4月から施行されます。その時、社会全体で子育てができるような環境は整っているのでしょうか。将来的には罰則も検討しているといいます。

 40代:「常に一緒?お買い物、お使いお願いするとかで歩いてもそれもダメ?」
 小学6年生:「なんかおかしい気がする」

■「なんかおかしい」 条例案波紋

 皆さん懸念している習い事。学習塾の経営者は…。

 よしだ教室 吉田雅人先生:「共働きの人は無理ですよ、今でも大変なんだから」

 しかし、何よりの懸念は子どもの成長だといいます。

 よしだ教室 吉田雅人先生:「そんなこと言ったらどこで子どもたちは遊んだらいいの。子どものそういう時期を保障するようなことがもっともっと、確かに色んな不安はあるけど、どうしたら子どもたちが子どもらしく生きられるのかという方に頭を向けてほしい」

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