外国人観光客がスナックに大興奮 ママ気配りも…「ナイトタイムエコノミー」起爆剤へ[2023/10/10 11:05]

 インバウンドが急回復する一方、日本の課題とされているのが外国人観光客が夜を楽しめる「ナイトタイムエコノミー」のコンテンツ不足です。その起爆剤として期待される「スナックはしごツアー」に密着しました。

■ママの気配りが際立つ「スナックツアー」

 夜の東京・新橋駅前に集まった外国人の一団は、これからどこに向かうのか。

 付いていってみると、新橋の路地裏をどんどん進んでいきます。歩くことおよそ5分、着いた先はなんと日本独自の夜の社交場・スナックです。

 スナック栗奴 栗奴ママ:「ようこそ!いらっしゃいませ〜」

 スナック栗奴 ツアースタッフ 栗川佳子さん:「ここでは、ある呼び名で彼女を呼びます。ママ、お母さん、オーナー、どれだと思いますか?」「(Q.分かんない。ママかな?)では、彼女をママと呼んでみてください。3.2.1、ママさーん」
 
 実は、外国人観光客向けのスナックを巡るツアーです。この日は、日本在住の外国人を含む4人が参加し、初めてスナックを体験します。

 アメリカ出身 ケイティさん:「2人ともスナックに行ってみたかったけど、私たちだけで行くのは怖かったので、試してみました」

 スナック栗奴 ツアースタッフ:「(スナックは)他のお客さんやママと一緒に飲んだり、コミュニケーションをとったり、あとはカラオケをしたりできます。板チョコのようなドアで、店内を見ることができません。日本人でもスナックの世界に入るのをためらうことがあります」「(Q.なぜですか?)中が見えなくて、スナックの中で何が起きているのか分からないからです。だから、日本人のためのツアーもあります」

 ツアースタッフが参加者の外国人に、スナックとはどういう場所なのか説明していきます。

■ママも笑顔 店内に生まれる一体感

 さらに、ママならではの気配りがありました。

 スナック栗奴 ツアースタッフ:「(この店では)お客さんが歌うたびにその曲名を覚えておいて、書いておきます。歌の名前を全て記録します。(ある1人の記録は)800曲です」

 客ごとにあるリストには曲のキーまで書き込むなど、次に来た時に歌いやすいよう、ママの細やかさが光ります。

 さらにスナックといえば、カラオケです。果たして、参加者の外国人はどんな曲を選ぶのでしょうか?

 選曲はまさかの邦楽です。しかも、日本でも人気のOfficial髭男dismです。

 イギリス出身 エマさん:「この歌、大好き。ヒゲダン、ダイスキ!」

 アメリカ出身のケイティさんは、中島みゆきさんの「時代」を歌っていました。

 ケイティさん:「(Q.どうしてこの歌を知っている?)以前、日本の高校で働いていたんですが、卒業式で歌います」

 ペンライトも配られ、店内に生まれる一体感。外国人たちの楽しそうな様子に、ママも笑顔です。

 アメリカ出身 アナンヤさん:「日本でホームステイした時、ホームステイ先のお姉さんがハナミズキを歌ってくれました。だから知っています」

 あっという間の1時間でした。

■タロットを活用した「婚活スナック」

 午後8時すぎに、1軒目のスナックを出た一行。ツアーは、これで終わりではありません。

 スナックaeru ウララママ:「こんばんはー。どうぞいらっしゃいませー」「

 次に向かったスナックaeruでは、常連の日本人客も混じって乾杯。スナックの魅力「地域コミュニティー」を楽しみます。

 そして、ママが特技を披露します。

 ウララママ:「きょうはタロット占いできるかな」

 タロット占いが得意のママ。タロットを使ってお客同士をマッチングする「婚活スナック」としても知られているのです。

 早速、参加者の外国人にも占ってもらうことにしました。

 アナンヤさん:「誰が私にとっての理想のパートナーですか?」
 ウララママ:「気になる人は?」
 アナンヤさん:「微妙にいるけど」
 ウララママ:「キング。男性のカードだからいますよ。お金持ちの年上の男性。お金ない人だめ」

 外国人観光客がどんな事を聞くのか、常連客も興味津々です。

 さらに、スナックaeruでも、ママと常連客と一緒にカラオケを大合唱。一体となって盛り上がります。

■スナックツアー「日本の夜を盛り上げる」

 日本ならではのナイトカルチャーを堪能した一行に感想を聞きました。

 イギリス出身 スコットさん:「もちろん満足です。イギリスより親密な文化でした」

 アナンヤさん:「日本人は外で勤勉に働いているイメージがありました。だけど、ここでは家族のように話すことができます。日本の違った一面に触れられて、楽しかったです」

 イギリス出身 エマさん:「(Q.ママはどうですか?)すごい。女優さんです」「(Q.常連さんはどうですか?)実に良い歌手です」

 主催者は「外国人観光客向けのスナックツアーが日本の夜を盛り上げる」と確信しています。

 スナック横丁 五十嵐真由子代表取締役:「(スナックは)全国に10万軒あると言われているので、我々としては1カ所に集まるのではなく、色々なところに分散しながらも、たくさんのスナックを体験して、もっともっとニッチな所、全国各地にあるスナック楽しんで頂きたい」

(「グッド!モーニング」2023年10月10日放送分より)

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