「過労死白書」睡眠不足がうつ傾向高めるとの結果 俳優ら2割がセクハラを経験[2023/10/13 19:46]

 厚生労働省は2023年度の「過労死等防止対策白書」を公表し、睡眠不足がうつの傾向を高めるなどとする調査結果を示しました。

 この白書は厚労省が過労死を防止するために働き方とメンタルヘルスの関係などを分析しているもので、今回で8回目です。

 それによりますと、過重労働が原因で発症した脳や心臓の疾患、仕事での強いストレスが原因で発病した精神障害に関して労災認定されたのは前の年から103件増えて904件でした。

 このうち過労死は121件で前の年から15件減っています。

 健康と関連の深い睡眠について、睡眠不足は疲労の回復を遅らせ、うつの傾向や不安を悪化させるという調査結果も報告されました。

 理想とする睡眠時間を「7時間から8時間未満」と答えた人の割合は45.4%と最も高かったのに対し、実際の睡眠時間は「5時間から6時間未満」の人が35.5%と最も多いことも明らかになりました。

 武見厚労大臣は「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会を実現するという使命を持って対策に全力を挙げて取り組む」と話しました。

 今回の調査では、芸術や芸能従事者らに対する初めての調査も実施されました。

 回答があった108人の俳優とスタントマンのうち、20.4%が「仕事の関係者に必要以上に体を触られた」「性的関係を迫られた」などのセクハラを経験したことがあると回答しています。

 「心が傷付くことを言われた」と答えた人は54.6%でした。

こちらも読まれています