“どすこいパニック”旅客機飛べず…相撲選手が大量搭乗 重量オーバー?臨時便で対応[2023/10/16 12:05]

 鹿児島県で開催されている国体に出場するため、相撲競技の選手らが飛行機に乗ろうとしたところ、重量制限を理由に、日本航空が異例の臨時便を出す事態となりました。番組が当事者に話を聞きました。

■「日本一土俵の多い島」奄美大島で相撲

 一瞬にすべてをかける大男たちの熱き戦い。

 13日に開幕した「かごしま国体」。相撲競技は、15日までの3日間、「日本一土俵の多い島」と呼ばれる奄美大島で初めて行われました。

 鹿児島選抜チーム 福崎真逢輝選手:「うれしいとは言えないけど、この経験が絶対次に生きると思うので。次こそは絶対日本一になって、きょう応援してくれた方々やいつも支えてくれる方々に恩返しができるように頑張ります」

■羽田と伊丹空港で“どすこいパニック”

 無事に日程を終えた相撲競技ですが、大会前日、およそ460人の屈強な男たちが奄美大島へ向かう際、“どすこいパニック”が起きていました。

 番組が入手した12日の羽田空港の写真。体格のいい男性たちが搭乗口近くに集結しています。

 搭乗まであと少しとなったところで、ハプニングが起きました。予定されていた飛行機に乗客全員で乗ることができなくなったというのです。同様の事態は、伊丹空港でも起きていました。

 伊丹空港から直行便の予定 岐阜代表の選手:「キャリーケースを預けようとした時に、ちょっと乗れないと言われて。ちょっと待ってから、羽田に飛んでくださいと言われました。羽田で乗れなかった人たちと伊丹で乗れなかった僕らが合流して(奄美へ)行った」

 “機体の重量制限”が理由で、直行便に乗客全員を乗せることができなくなったのです。

 日本航空広報:「飛行計画を作る段階で相撲関係者の予約が多いことが判明し、体重確認をしたところ重量オーバーの可能性があることが分かりました」

 一般的に成人男性が70キロとして計算されるのに対し、力士の平均体重は120キロにも。当初予定していた165席搭載の機体に、仮に成人男性と力士がそれぞれ全員座った場合、およそ8300キロ、8.3トンもの差となります。そのため、羽田発の臨時便を1便追加し、分散して運ぶことになったのです。

 航空評論家・元日本航空機長 小林宏之氏:「必要な燃料が搭載できなくなることで、減らしたら今度は安全性にも影響が出てきますので。やむなく臨時便を出して、対応したということだと思います」

 伊丹空港から直行する予定だった14人は羽田に移動し、合わせて27人が臨時便に搭乗し奄美に向かいました。

 大会を終えた15日も“どすこいパニック”の影響は続きます。

■機内の様子は? 相撲選手「ごっつあんでした」

 15日午後8時半ごろに到着した福岡発・羽田行きの定期便は、当初予定していた252人乗りの機体から急きょ、369人乗りのビッグサイズに変更されました。

 羽田空港の到着ロビーには、「かごしま国体」で熱い戦いを繰り広げた相撲選手たちの姿がありました。

 日本航空はまず、奄美空港から福岡空港行きの臨時便を追加。さらに、福岡空港からの定期便も大型の機体に変更することで、“どすこいパニック”に対応しました。

 この飛行機に乗っていた相撲選手たちに体重を聞いたところ、5人合わせて600キロ超えでした。

 群馬県代表:「自分は140キロです」「130キロです」「110キロです」

 群馬県代表の高校生たちは、機内の様子についてこう話します。

 群馬県代表:「最初の奄美から福岡行きのところは少し空きがあったりして。福岡からこっちまでは、もうびっしりで。約140キロと140キロが隣り合わせという席もあり」「ここの3人で並んで座っていた」「(Q.きつくなかったですか?)多分、真ん中が一番きつかったと思う」「自分1年生なんで…!」

 今回の航空会社の緊急対応に、高校生たちや顧問もお相撲さん風に感謝していました。

 群馬県代表:「ちょっと重くて大丈夫かなというのは、内々でちょっと笑い話ででていたが、本当にそうなっちゃって。サポートしていただいたので、我々としてもちょっと疲れましたけど。貴重な経験です、これも」「ごっつあんでした」

(「グッド!モーニング」2023年10月16日放送分より)

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