予報士のつぶやき 50年で2倍見える富士山 雪化粧[2023/10/16 14:16]
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きのう(15日)関東甲信で降った冷たい雨が富士山では雪として降り、見事な雪化粧となりました。
きょう(16日)はすっきりと晴れて東京・六本木からも富士山を見ることができました。
実はこの富士山、都心からよく見えるようになっていることをご存じですか?
東京都環境局のHPでは都心から富士山が見えた日数が年毎、月毎で公表されています。
1970年代の平均が年間46日。
2022年までの10年間の平均は年間107日。
なんと、2倍以上に増加しているのです!
観測地点が大手町の旧気象庁ビルから都庁へと変化はありますが、それでも都心から富士山が見える日は大幅に増加しているということは間違いありません。
今年の夏は記録的猛暑となり「温暖化」「環境対策」などという言葉がテレビやラジオなどで頻繁に叫ばれました。
もちろん、一人一人が環境への意識を高めていくことはとても大切です。
ただ、後ろ向きな言葉だけでは気分が落ち込むので、すでに出ている成果にも目を向けたいと思うわけです。
国や都など自治体による環境のための規制、企業や団体、個人の努力によって大気汚染が大幅に改善され、都心から富士山が見える日が増えるという「目に見える」成果は出ています!
さらに、秋から冬は富士山がもっともよく見える季節で去年の10月から2月は月に10〜20日ほど都心から富士山が観測できているのです。
環境的にも季節的にも澄んできた空気を感じて、未来のための環境への意識につなげてみてはいかがでしょうか!
テレビ朝日 気象デスク 佐藤圭一
参考 東京都環境局HP