予報士のつぶやき 中越地震から19年 今できる防災は[2023/10/23 16:15]

■中越地震から19年
新潟県中越地方で最大震度7を記録した
新潟県中越地震からきょうで19年です。
68人が亡くなり、
避難者は約10万人、住宅損壊は約12万棟など
甚大な被害が出ました。
(参照:内閣府 防災情報のページ)

■防災団体 シュークリーム
私は4年前、中越地震を経験した
石黒みち子さんを取材しました。
石黒さんは被災した時に感じたことを防災に繋げようと
中越市民防災安全士会女性部
「シュークリーム」という団体を立ち上げ、
防災講座や災害食実習を行っています。

名前のシュークリームには
柔らかく地域を包み込めたらという意味が込められていて
石黒さんの防災講座には堅苦しさが一切なく
優しく和気あいあいとした雰囲気が印象的でした。

例えば支援が後回しになってしまいやすいオムツの作り方など
親子の防災講座にも力をいれています。


■19年経って思うことは…
今回、4年ぶりに石黒さんにお話を伺うことができました。
現在は、高齢化が進んでいることを考慮し、
一人暮らしの高齢者を対象にした講座も
開催しているとのことです。
中越地震から19年経った今でも
日々の生活の中で思い出す瞬間があり、
あの時避難所で役立つことを知っていたら…
災害食について知っていたら…
その想いが石黒さんの原動力になっています。

近年は気象災害が多くなってきていることを実感し、
一人一人が命を守ることができるような防災力を
さらに高めるべきだと力強く語ってくださいました。


■防災は日常
取材を通じて
防災をいかに特別なことではなく
普段のことに落とし込めるかも大事だと感じました。

避難所を防災講座の開催場所にして
いざかけこむ場所を馴染みのある場所にしておく、
参加した人たちが顔がみえる関係になり、
いざという時に声かけができるようにしておく
石黒さんの講座には
自然と地域と繋がる工夫がちりばめられています。

その時だけの点の防災ではなく、
日常から繋がった線での防災を
私も目指していきたいです。

テレビ朝日気象デスク 久能木百香

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