1.5℃の約束を実現へ 3.5%の法則[2023/10/26 13:46]
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■地球の気温上昇は疑う余地のない事実
「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」
アントニオ・グテーレス国連事務総長のメッセージが話題になった今年の夏。
世界の平均気温は史上最高を記録、日本も夏(6〜8月)の平均気温が平年より1.76度高く、統計を取り始めた1898年以降で最も暑い夏となりました。
この記録的な暑さをもたらす気温上昇は、人為的要因です。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると人間活動が気温上昇の主な原因であることは、疑う余地のない事実と強く断言しています。
また、文部科学省や気象研究所は今年の日本の記録的猛暑について、
「様々な偶然が重なったとしても、人為起源による気温の底上げがなければ起こり得なかった」と発表しています。
■1.5℃の約束
気温上昇を止めるためには「1.5℃の約束」を守れるかどうかがポイントです。
具体的な目標は、産業革命以前に比べて世界の平均気温の上昇を2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をするというもの。
先進国も途上国も、もちろん日本も、すべての国が参加する目標です。
達成のためには、2050年の時点で世界全体がカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量と吸収量を均衡させる)を実現させる必要があると言われています。
ひとりひとりができることとして、ライフスタイルの少しの変化が必要です。
何ができるのか、環境省のHPで「ゼロカーボンアクション30」として紹介されています。
ぜひ、できることから取り組んでいきましょう。
■3.5%の法則
しかし、1.5℃の約束を守ることは簡単ではなく、
自分ひとりの取り組みには意味がないのではないか、と思う人も多いかもしれません。
そんな人のために、希望が持てる研究結果を紹介します。
「3.5%の人が行動を起こせば世界は変えられる」というもの。
ハーバード大学の政治学者エリカ・チェノウェス教授によると、
過去の市民活動や社会変革は、賛同する人の数が3.5%に達すると成功しているそうです。
つまり、3.5%の人が動けば、100人中3〜4人が動けば、気温上昇を抑えた未来が実現できる確率が高まります。
「3.5%」、この数字ならいけるかもと希望が湧いてきませんか?
気候問題に関心を持って、自分にできることを。ぜひ、3.5%の仲間に加わってください。
テレビ朝日気象デスク 山口晃平