野生のクマ 好きな“ニオイ”徹底検証! 知られざる習性が[2023/10/26 20:02]

■判明!好きなモノと嫌いな臭い

 嗅覚が犬並みに鋭いといわれるクマ。いまだその生態は謎が多いなか、クマ対策のヒントとなる貴重な映像を入手しました。ツキノワグマの嗅覚を調べた実験動画。粉末のワサビやリンゴの汁、唐辛子が入った丸太にクマがどのような反応をするのか調べたものです。好むものに対してはかじるなどの行動を取りますが、反応が違ったのが、丸太の中から出てくる赤い粉末、唐辛子です。においをかぐと、くしゃみをするような様子。手に付いた唐辛子を舐めると、激しく頭を左右に揺らします。

 秋田県立大学 野田龍准教授:「頭を振って離れていくような行動が、嫌がる様子かなと」

 クマが嫌がるにおい、開発も進んでいます。唐辛子成分の栓が入った木製杭です。

 Woodyさんない 森岡吉己営業課長:「においを発してクマを近付けないようにしている」

■クマが好きなニオイ「ペンキ」

 一方、野生のクマで行われた実験。木の杭に近付くと突然、体をスリスリ。一心不乱に抱きつきます。抱きつき終えたかと思いきや、今度は背中をスリスリ。これほどクマが反応するにおいとは何なのでしょうか。動画を撮影した野田准教授は…。

 秋田県立大学 野田龍准教授:「木材の表面にペンキを塗ったもの」

 クマはペンキなどの油性の塗料や灯油などのにおいが大好きだといいます。

 秋田県立大学 野田龍准教授:「クマは興味が旺盛な動物。まずにおいをかいで、どういうものかを確認している。興味があるもの、好むものに対して体をこすりつける行動をよく行う。さらに好むもの、興味があるものはかじるという行動を取る」

■体を擦り付け“看板襲撃”も

 こうした習性から被害はこんなところにも。石川県小松市の山中にある看板。上の部分を見ると、削り取られた跡が。よく見ると、クマの毛のようなものも。油性の塗料に引き寄せられたのでしょうか。クマによる被害とみられています。

 秋田県立大学 野田龍准教授:「山の方に行くと木製の構造物、ベンチや標識がある。クマによって引っかかれたり、かじるという被害が出ている」

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