秋の3連休に“記録的夏日” SL で秘境の絶景目指し[2023/11/05 10:55]

 3連休、列島は異例の暑さに見舞われました。にぎわう紅葉の名所を取材すると、異変が起きていました。

■「2カ月違う」“記録的夏日”になった秋の連休

 今年最後の3連休は、記録ずくめとなりました。

 4日、東京都心では気温が25℃を超え、11月としては14年ぶりの夏日に。都心の夏日の日数は去年を上回り、観測史上最多となりました。

 この時期としては暖かい空気に覆われ、各地で気温が上昇。3日は、25℃以上の夏日が359地点に上りました。

 実に126年ぶりとなる、11月の“連続夏日”となった名古屋市。東山動植物園では、動物たちが陽の下で気持ちよさそうにくつろぐ様子や元気に動き回る様子が見られました。季節外れのこの暑さは、動物たちにとっては過ごしやすい気温だそうです。

 3連休の初日、本州で最も暑かった街へ行ってみると…。

 木々が色づいてきた富山市では11月とは思えない暑さになっています。手元の温度計で29.8℃まで上がっています。そして夏のような強い日差しで、半袖でも汗ばむ陽気です。

 雪化粧した山々と紅葉の共演。この時季、深まる秋の景色が楽しめる富山市ですが、3日の最高気温は平年より10℃以上高い28.5℃で、真夏日目前に。11月に28℃を超えるのは、46年ぶりのことです。

 金沢からの観光客:「ちょっと異常な感じですよね。歩いているだけで汗かきましたもん」
 富山県内から:「これくらい暑い方がハッピーな感じ。最高、富山」
 石川からの観光客:「紅葉を見に行こうと思ったらこの暑さなので、2カ月くらい違うみたいな」

 涼しさを求めてか、噴水ではしゃぐ子どもたちの姿も見られました。

■関西屈指の観光地「京都・嵐山」で異変

 平安時代の名残をとどめる、京都随一の景勝地・嵐山。春は桜、秋は紅葉、冬は雪と、四季の移ろいを“視覚的”に感じられるこの場所でも“異変”が起きていました。

 男性2人組は半袖でしかもアイスクリームを食べています。海外の人は半袖に短パンです。

 4日、京都では最高気温25.2℃を観測し、3日連続の夏日を記録。これは11月では83年ぶりのことです。(観測史上1位タイ)

 服装に注目して見ると、ノースリーブの女性の隣を、重ね着した男性が歩くなど“違和感”のある光景が広がっていました。

 観光客:「気温は11月とは思えないくらい暖かい」「(Q.お着物、暑くないですか?)日が出ると暑い。背中の方がちょっと…帯を締めてるところが暑いかな…」

 取材中も気温はぐんぐんと上昇。鷲尾アナもたまらずコートを脱ぎます。

 そんななか、いつにも増して多くの観光客が集まっていた場所が。

 青々とした竹が生い茂っている「竹林の小径」には涼しさを求めてか、いつも以上に多くの観光客の方がいます。

 訪れた観光客は異常な暑さに戸惑いながらも、貴重な3連休を楽しんでいました。

 ただ、肝心の紅葉はというと…まだまだ青葉が目立ちます。

 観光客:「写真撮るのが好きでよく旅行行く時もカメラ持っていくんで、きょうも紅葉とか撮ろうと思って(カメラを)持ってきた感じですね」「(Q.紅葉はどうですか?)ちょっとまだ早かったかな、でも紅葉とかもたまに赤くなっているの見て来て良かったなって思ってます。やっぱり、一番きれいな時期にまた来られたらいいかなって思ってます」

■「一生に一度は」“秘境”の紅葉目指しSLで

 一方で、暑さの影響を受けつつも、まもなく紅葉の見頃を迎える“秘境”を目指す人の姿も…。

 SLで有名な静岡県島田市の新金谷駅です。こちらでは、この季節にしか見られない秘境の紅葉を求めて、多くの観光客がいます。

 神戸市からの観光客:「きょうは(朝の)4時に出発しました」「(Q.それだけしてでも見たい?)見たいです!」
 イギリス人観光客:「“川”と“もみじ”がこの季節はきれいだと」
 静岡・浜松市からの観光客:「(Q.秘境までかなり時間がかかるが?)いいお天気だし!一生に一回!」

 訪れた観光客は、まだ見ぬ“絶景”への期待感を胸に長い旅路に就きます。

 愛知県岡崎市からやって来た夫婦。異常な暑さが紅葉にもたらす影響を心配しつつも、「死ぬまでに一度は見たい」という思いから、この日訪れることを決めたといいます。

 車窓から間近に見える四季折々の景色も魅力の一つ。今年は、まだ青々とした木々や茶畑と徐々に黄色に色づく葉の両方が楽しめます。

 愛知県岡崎市から観光に来た夫婦:「ちょっとまだ緑が茂っている感じがするんですけど、さっき車窓から山を眺めた時に一部分だけ紅葉している部分があって、ちょっと(秋が)来てるかなって思いました」

 列車に揺られること2時間。秘境の駅に到着しました。まさにここが、この時季多くの観光客が訪れる絶景スポットです。

 駅の対岸側に渡り、山道を登ること20分、そこに広がっていたのは…。

 愛知県岡崎市から観光に来た夫婦:「着いた着いた」「はぁきれい…!!」

 湖の上にポツンと浮かぶのは、大井川鐡道「奥大井湖上駅」。

 絵に描いたような湖のエメラルドグリーンと赤い鉄橋、周りをぐるりと囲む紅葉のコントラストが観光客を魅了します。

 愛知県岡崎市から観光に来た夫婦:「良い景色です」「思った以上に良かったです。でもすごい登って暑いです」「(Q.いつの間にか服も半袖に?)はい、11月です。でも暑いです…」「(Q.半袖でちょうど良いくらい?)そうです!狙いが当たったという感じで、ちょっとやったって感じです」

 さらに歩みを進めると、もう一つの絶景スポット「寸又峡」が。大間ダム湖にかかる「夢のつり橋」をはじめ、紅葉を楽しむことができる人気の観光スポットです。

 いずれも紅葉の見頃は今月中旬以降になるそうです。

 愛知県岡崎市から観光に来た夫婦:「多分この暑さが終わって来週また冷え込んでくるとまた景色も変わるので、またそれはそれで自然だから良いかなと思います。あっこれから秋が来るかなっていう感じがしました」

(サンデーLIVE!!  2023年11月5日放送)

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