予報士のつぶやき 「秋が短い」は本当なのか?[2023/11/21 13:45]

最近周囲の方から、「秋が短くなったねー」とよく言われます。
私もそう感じていますが、気象予報士らしくデータで検証してみました。

「秋らしい=最高気温が18〜24℃の過ごしやすい日」と定義して、9月から11月の気温を調べた結果が次の通りです。

【最高気温18〜24℃ 9〜11月の平均日数(東京)】
1900年台 35.0日
1910年台 35.4日
1920年台 37.9日
1930年台 33.2日
1940年台 34.5日
1950年台 35.4日
1960年台 37.9日
1970年台 36.4日
1980年台 36.5日
1990年台 39.6日
2000年台 36.6日
2010年台 34.6日
2020年  42日
2021年  39日
2022年  33日
2023年  22日(11月20日まで)

あれ?あまり変わってないですね。
今年は確かに少ないようですが、10年単位で見ると大きな変化はないように思います。
どういうことでしょうか。

さらに詳しく、月別に調べてみました。
(前から9月、10月、11月)
1900年台 9.7、19.8、5.5日
1910年台 8.7、19.0、7.7日
1920年台 8.6、20.3、9.0日
1930年台 7.2、18.3、7.7日
1940年台 5.7、20.2、8.6日
1950年台 6.6、18.6、10.2日
1960年台 6.3、20.4、11.2日
1970年台 7.4、20.2、8.8日
1980年台 7.8、20.7、8.0日
1990年台 6.6、20.8、12.2日
2000年台 4.8、20.3、11.5日
2010年台 4.3、17.6、12.7日
2020年  7、17、18日
2021年  7、14、18日
2022年  0、17、16日
2023年  0、15、7日(11月20日まで)

2000年以降は9月に過ごしやすい陽気が減って、11月に増えていることが分かります。
9月は残暑が厳しくまだまだ夏の暑さが残る一方で、11月に秋を感じる日が増えているようですね。
ちなみに12月の18〜24℃の日数は昔も今も0〜2日で大きな差はみられませんでした。

データから見ると「秋が短くなった」というよりも「秋が遅くなった」と言う方が適切ではないかと感じる調査結果となりました。

テレビ朝日気象デスク 森口哲夫

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