冬の嵐襲来“初めてのドカ雪”に移住者が四苦八苦 寒暖繰り返しで医療現場に患者殺到[2023/11/27 00:30]

列島に流れ込んだ今シーズン一番の寒気。
北日本では「冬の嵐」が吹き荒れ、真冬の寒さとなった東京では医療現場に異変が起きています。

■“冬の嵐”北海道で今季最低-13.1℃

(佐々木一真アナウンサー)「朝5時の名寄市内です。昨日の夜いったん降り止んだ雪なんですけれども、朝になって再びこのように降ってきました。周辺の積雪量がさらに増えてきています」
朝早くから除雪車が出動。路面に積もった雪をかき分けますが…そこにまた雪が降り続けます。
(佐々木一真アナウンサー)「大粒の雪がフロントガラスに打ち付けて、かなり視界が悪いですね。街灯の明かりもぼんやりとしか見えません」
今シーズン一番の強い寒気が流れ込んだ、この週末。けさ、北海道の占冠や川湯で、−13.1℃を観測し、今季、最も低い気温を更新しました。
(佐々木一真アナウンサー)「この強風で海も荒れていますね。一面、白波が立っています。波しぶきもかなり高いところまで上がっています」
遠別町は、タコ漁が盛んですが、強風やしけの影響で、漁に出られない日が続いていると言います。
(タコ漁の漁師)「11月の上旬に(漁に)1回出ただけで、後は出てないです。天候もしばらく多分駄目じゃないかな」
(佐々木一真アナウンサー)「前方、車が道路わきの溝に落ちてしまっていますね。運転席が空を見上げるような形に落ちてしまっています。今、レッカー車が現場に到着しました。これから車を引きあげるものとみられます」
道路脇に落ちてしまった車。運転していた男性が、事故の恐怖を話してくれました。
(スリップ事故を起こした男性)「カーブのところでスリップして、逆側にハンドルを切って、半回転したんですよね。怖かったですね。急に降ったから、まだ慣れていなくて、どれくらい滑るのか、まだ理解できていなくて」
車は無事に引き上げられ、大きな損傷もなく、済んだようです。レッカー作業をした男性は、これからが忙しい時期になると言います。
(レッカー車の作業員)「道路の幅が分からなくなったりね。車道が分からなくなっているからね。縁石にぶつかって、そのショックでスリップして、脱落・脱輪したり」

■“初めてのドカ雪”に四苦八苦の移住者

今年の春、東京から美深町に移住してきた、林さん。
(東京から美深町に移住林実幸さん(24))「私もきょう初めて使うんで、あんまり使い方が分かっていないんですけど」
北海道で、初めての冬。初めての雪かきです。
(林実幸さん)「何か、うまくできない」
慣れない作業に、四苦八苦。
(林実幸さん)「重い。ちょっと重いですね。かたまっているんで」
積もった雪の圧力で、窓が割れないように、板などを取り付ける、“雪囲い”をしてみたものの―。
(林実幸さん)「これ開いちゃっているけど、大丈夫なのかな?」
Q.確かにちょっと。
「開いちゃっていますよね」
「この先、雪がすごくなってくると、雪下ろしとか大変だというのは聞いているので、ドキドキです」
雪は、夕方になっても―。
(佐々木一真アナウンサー)「午後5時です。辺りはすっかり暗くなりましたが、雪は今も降り続いています。降り止む気配はありません」

■「吹雪でも行く」雪道走る移動スーパー

秋田でもこの週末、初雪となりました。きのう25日、12センチの積雪となった横手市。早朝から「移動スーパー」の準備が始まっていました。移動販売歴8年の田中さんにとって、厳しい冬の始まりです。
(移動スーパー「とくし丸」田中公紀さん(49))「毎年のことで覚悟はしているんですけど…」
今シーズン初、雪の中での“移動スーパー”、出発です。
(田中公紀さん)「これから行くところは15センチくらいの積雪が残っているというところに入って行かなくちゃいけないので」
「除雪されてないとこういう状態ですよね…」
到着した田中さん。まず、始めたのは、雪かきです。
(田中公紀さん)「杖ついたお客さんなんで、少しでも道つけとかないと…」
「何買うと?」
(利用客)「バターある?」
田中さんは、こうしてお客さんを一軒一軒、回ります。
(利用客)「かなり降ったな」
(田中公紀さん)「今年で積もるのは初めてだもんな。」
買い物中にも、どんどん雪が強くなってきました。
(田中公紀さん)「さっきまで降ってなかったのにな、急にこれだもんな」
山間部に入ると、景色がどんどん変わっていきます。
(田中公紀さん)「あっ、除雪されている。これ行けるな…」
雪深い道を進み、一軒のお宅に到着。
(利用客)「(雪)すごいね…」
(田中公紀さん)「だから、俺もここ入って来るの大丈夫かなと思ったもの」
(利用客)「ニンジンある?」
(田中公紀さん)「ニンジンある、3本と1本がある」
Q.きょうはどういうもの買われた?
(利用客)「色々、一週間分。車運転するんだけど、なんとなく不安になってきて、自分のあれ(運転)に対して」
(田中公紀さん)「雪降って来てしまったもんな…そこまで持っていく」
(利用客)「ありがとう」
この日、田中さんは、40人のお客さんに商品を届けました。
(田中公紀さん)「お客さんが待っていてくれるんで、雪の日でも吹雪の日でも行こうなという感じで頑張っています」

最低気温5.3℃と今季一番の冷え込みとなった東京。羽田空港を望むこちらのビルの屋上には、足湯で温まる人の姿が…
(利用者)「寒い中、ここに入るの初めてだからあったかい」
(利用者)「暖かいです。このままずっとつかっていたいですね」
おととい24.2℃だった最高気温も、きょうは、9.5℃と、14℃以上下がりました。この寒さに外国人観光客は…
(オーストラリアからの観光客)「すごく寒い。オーストラリアから来たので凍えちゃう」
Q.これきょう買ったの?
(アメリカからの観光客)「赤ちゃんにはすごく寒いから買いました。今、寝ているから暖かくしてあげたい」

■“寒暖繰り返し”で医療現場に異変

急激な気温の変化に、医療現場では異変が…
都内にクリニック。きのう、朝一番から多くの患者が殺到したため、午前中で受け付けを打ち切ったといいます。
(いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長)「急激に寒くなった事を受けてか鼻やのどに関わる症状の患者が急激に多かった」
寒くなるにつれ再び増え始めてきたのが…
(伊藤博道院長)「インフルエンザAが陽性でした」
さらに、今年は夏場に増える事が多い感染症がこの時期も全国的に流行しているといいます。
(伊藤博道院長)「目赤いね」
目が充血していた10歳の男の子。のどの痛みや発熱もありました。
(伊藤博道院長)「アデノウイルスの抗原検査が陽性でした。つまりプール熱ですね」
咽頭結膜熱。“プール熱”とも呼ばれ、子どもに多くみられる感染症と言われていますが…
(70代)「変なせきが止まらないんですよ」
70代の女性、“プール熱”と診断された孫の看病をしていたところ、自らも、かかってしまいました。“プール熱”は、これまで夏に感染者が多いとされていましたが、今年は9月以降もさらに数が増え続けているといいます。
(伊藤博道院長)「プール熱の原因のアデノウイルスは暖かい気候が得意なんですね。11月中旬になってもやはり20℃台の日が多いですから」
最新のデータでは、警報基準レベルとされる1医療機関あたり3.0人を超える地域は、25都道府県に及びます。
(伊藤博道院長)「ウイルスにとっては、まだ生存できて暖かくなった時に増える事ができる。寒暖を繰り返しているうちは、おそらく(患者数が)高止まりするんじゃないかと思いますね」

11月26日『サンデーステーション』より

こちらも読まれています