食品会社71歳男性が心筋梗塞で死亡 過酷な環境下の業務で「逆転労災認定」[2023/11/30 23:07]

 東京都内の食品会社で厚焼き玉子の製造を担当していた当時71歳の男性従業員が心筋梗塞(こうそく)で死亡した件について、労働保険審査会が労災と認めていたことが分かりました。

 30日に会見を行った遺族の代理人弁護士によりますと、当時71歳の男性は2020年7月、都内の食品会社で厚焼き玉子の製造を担当していて、作業中に腰や首の痛みを訴えた後、意識を失って心筋梗塞で亡くなりました。

 会社が卵を仕入れすぎたために従来の2.5倍ほどの厚焼き玉子を製造しなければならなくなり、深夜や休日の労働も強いられていたということです。

 遺族は青梅労働基準監督署に労災を申請しましたが、時間外労働が「過労死ライン」に達しておらず、認められませんでした。

 その後、厚生労働省が「脳・心臓疾患の労災認定基準について、労働時間以外の負荷も評価する」とした新基準を設けたことで、国の労働保険審査会に再審査を請求しました。

 その結果、男性は71歳と高齢にもかかわらず、暑くて湿度も高く、強い身体的負荷の下で作業を余儀なくされたとして、労働保険審査会は11月17日付けで労災と認めました。

 遺族の代理人弁護士は労働時間だけではなく作業環境面が重視されたことについて「大きな意義がある」としています。

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